2017年02月16日 17:59

環境性能を高めた新型「トヨタ・プリウスPHV」発売

トヨタ自動車は2017年2月15日、2代目となる新型「プリウスPHV」を発表。同日、販売を開始した。

■「プリウス」と異なるデザインで差別化

プリウスPHVは、4代目「プリウス」をベースとするプラグインハイブリッドカーである。2016年3月のニューヨーク国際オートショーで披露され、日本では同年秋にお目見えするとアナウンスされたが、諸般の事情で発売が延期されていた。欧米で続々と登場しているプラグインハイブリッドカーと競合する価格帯のモデルで、トヨタの環境戦略の柱となることが期待されている。ハイブリッド車のプリウス、燃料電池車の「ミライ」と合わせ、“環境3兄弟”という位置づけだ。

先代のプリウスPHVは2012年に一般への販売が開始されていたが、人気モデルになったとは言いがたい。伸び悩んだ理由のひとつが外観である。ハイブリッドモデルとの違いがわかりにくかったとの反省から、今回は独自のエクステリアデザインを採用した。フロントマスクには左右4つずつLEDランプを並べ、プリウスよりもミライに似た顔つきになった。同時期に開発が進められたこともあり、実際にミライと共用しているパーツは多い。

リアスタイルはさらにプリウスとの差別化が図られた。左右に2つの膨らみを持たせた“ダブルバブルウィンドウ”を採用。中央部分が大きくえぐられたような形状になっている。デザイン的な意味だけでなく、空力面でも優れた効果があるという。バックドアの骨格には炭素繊維強化樹脂(CFRP)が採用され、アルミニウムで作った場合に比べて、単体で約40%の軽量化を実現した。サイドトリムが不必要になったことで、後方視界の拡大にも役立っている。

インテリアで目を引くのは、ダッシュボードのセンターに位置する11.6インチの縦型ディスプレイだ。カーナビやオーディオ、空調などの表示とコントロールが集約されている。タッチパネルにより、スマートフォン感覚の直感的な操作が可能になった。

■EVとしての機能が向上

デザインよりも変化が大きいのが、プラグインハイブリッドシステムだ。リチウムイオン電池の小型軽量化と高容量化が、大幅な性能向上に貢献した。従来モデルはEV走行可能距離が26.4kmで、充電の恩恵を感じにくかった。新型は68.2kmに延ばされている。日本人の一般的な走行パターンの8割をカバーできる数字であり、日常生活ではほぼ給油なしでEVのように使えるとアピールされる。

先代では31.6km/リッターだったJC08モードの燃費値は、37.2km/リッターに。EV走行可能な最高速度は、これまでの100km/hから135km/hにまで高められている。バッテリーの総電力量は4.4kWhから8.8kWhへと倍増し、昇圧コンバーターの出力は1.8倍になった。エンジンと動力分割機構の間にワンウェイクラッチを組み込むことで、従来は発電専用だったジェネレーターを走行用モーターとしても利用できるようになった。

充電システムもアップデートされている。PHVは夜間電力を利用して自宅で充電するが、従来はAC200V電源を使っていたため工事が必要だった。新型は100V充電を採用したので、専用回線工事は不要である。急速充電システムも加えられたので、出先の充電ステーションで補充することもできる。一般的な家電製品の使用が可能となる外部給電機能も備わる。

ルーフのソーラーパネルで太陽光発電を行うオプションも用意された。1日最大で6.1km、平均で2.9kmのEV走行ができる計算だ。ガスインジェクション機能付きヒートポンプエアコンの採用も、燃費向上に貢献している。

新型プリウスPHVには、トヨタの次世代車両技術であるTNGAが採用されている。発売順でいえば、プリウス、「C-HR」に続く3番目の車種だ。プラットフォームはプリウスと共用で、ホイールベースは2700mmと全く同じ。オーバーハングが前後ともに伸ばされていて、全長は105mm長い4645mmとなった。後席は2人乗りで、乗車定員は4人である。プリウスがTNGAの採用によって劇的に走行性能を高めたように、プリウスPHVもスポーティーな走りを実現したという。ミリ波レーダーと単眼カメラを用いた運転支援システム「Toyota Safety Sense P」が全車標準装備となるのも、セリングポイントのひとつである。

価格とラインナップは以下の通り。

プリウスPHV S:326万1600円

プリウスPHV S“ナビパッケージ”:366万6000円

プリウスPHV A:380万7000円

プリウスPHV A“レザーパッケージ”:406万6200円

プリウスPHV Aプレミアム:422万2800円

(文=鈴木真人)

記事提供:webCG
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