2017年08月09日 17:46

マツダ、自己着火型ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」の実用化を宣言

マツダは2017年8月8日、2030年を見据えた技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を発表。その実現に向けて、次世代エンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」を含めた次世代技術を、2019年から展開することを明らかにした。

■燃費は20〜30%向上

今回策定されたサステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030は、世界の自動車産業を取り巻く環境の急激な変化を踏まえ、より長期的な視野に立ち、クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、「地球」「社会」「人」それぞれの課題解決を目指すというもの。

概要は以下の通り。

(1)「地球」領域

環境保全の取り組みにより、豊かで美しい地球と永続的に共存できる未来を築く。

・クルマのライフサイクル全体を視野に入れて、「Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」の考え方に基づき、本質的なCO2削減に向けた取り組みを本格化する。

・「Well-to-Wheel」での企業平均CO2排出量を、2050年までに2010年比で90%削減することを視野に、2030年までに50%削減を目標とする。

・そのために、実用環境下における燃費改善とエミッションのクリーン化の効果を最大化することを方針とする。

・この方針に基づき、今後も世界的に大多数を占めると予測され、CO2の削減に最も効果のある内燃機関の理想を徹底的に追求し、効率的な電動化技術と組み合わせて導入する。

・さらに、クリーン発電地域や、大気汚染抑制のための自動車に関する規制がある地域に対して、EVなどの電気駆動技術を2019年から展開する。

(2)「社会」領域 安心・安全なクルマと社会の実現により、すべての人がすべての地域で自由に移動し、心豊かに生活できる仕組みを創造し、築いていく。

・事故のないクルマ社会の実現に向け、「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」の思想に基づく、さらなる安全技術の進化を追究する。

・正しいドライビングポジション、ペダルレイアウト、良好な視界視認性などの、基本安全技術の継続的進化と標準装備化する。

・人間の認知、判断をサポートする先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」の標準装備化を推進。既に標準装備化を始めた日本に加え、2018年以降、順次グローバルにも拡大する。

・人間中心の自動運転コンセプト「Mazda Co-Pilot Concept(マツダ・コ・パイロット・コンセプト)」に基づいて開発を進めている自動運転技術の実証実験を2020年に開始。2025年までに標準装備化を目指す。

・コネクティビティー技術の活用により、クルマを使う人が交通弱者や過疎地での移動を支える役割を担えるビジネスモデルを創造する。

(3)「人」の領域

「走る歓び」にあふれたクルマを通じて、地球を守り、社会を豊かにすることで、人々に心の充足を提供し、心を健康にする。

・人の能力を引き出し、心と体を活性化させる「人馬一体」感をさらに追求する。

・「クルマに命を与える」という哲学のもと、クルマのデザインを芸術の域まで高め、見る人すべての心を豊かにする「魂動デザイン」をさらに進化させる。

・サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030の一環として開発される次世代エンジン、SKYACTIV-Xの技術的なハイライトは以下の通り。

・ガソリンと空気の混合気をピストンの圧縮によって自己着火させる燃焼技術(圧縮着火、Compression Ignition)を世界で初めて実用化。

・マツダ独自の燃焼方式「SPCCI<Spark Controlled Compression Ignition>(火花点火制御圧縮着火)」によって、従来ガソリンエンジンにおける圧縮着火の実用化で課題となっていた、圧縮着火の成立範囲を拡大することで、火花点火と圧縮着火のシームレスな切り替えを実現。

・ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特長を融合した、新しいマツダ独自の内燃機関であり、優れた環境性能と出力・動力性能を妥協なく両立。

・圧縮着火によるこれまでにないエンジンレスポンスの良さと、燃費改善目的で装備したエア供給機能を活用し、現行の「SKYACTIV-G」に比べて全域で10%以上、最大30%におよぶ大幅なトルク向上を実現。

・圧縮着火で可能となるスーパーリーン燃焼によって、エンジン単体の燃費率は現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20〜30%程度改善。2008年時点の同一排気量のマツダ製ガソリンエンジンからは、35〜45%の改善。最新の「SKYACTIV-D」と同等以上の燃費率を実現。

・低燃費率領域が極めて広いエンジン特性による、ギア比選定の自由度の大幅拡大により、走りと燃費を高次元で両立。

(webCG)

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