「カメラグランプリ2020」が発表、大賞はソニー「α7R IV」
カメラ記者クラブは5月18日、「カメラグランプリ2020」の受賞機種を発表した。
「カメラグランプリ」は、写真・カメラ専門の雑誌・Web媒体の担当者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、選考委員を組織。今回、2019年4月1日から2020年3月31日に発売された製品から各賞を選考した。
選考委員は、カメラ記者クラブの会員をはじめ、加盟雑誌の編集長(もしくは代表者)、カメラグランプリ実行委員が委託した外部選考委員、特別選考委員(学識経験者、カメラメカニズムライター、写真家、写真関連団体の代表など)、および特別会員のTIPA(The Technical Image Press Association:欧州を中心に16か国28媒体およびカメラ記者クラブが加盟する写真・映像雑誌の団体)で構成。今年は、総勢54名が選考にあたったとのことだ。
主な選考理由は以下の通り(すべて「カメラグランプリ2020」ホームページより)。
■カメラグランプリ2020大賞 α7R IV(ソニー)
フルサイズミラーレス機の「α7」シリーズの中でも、高画素機Rの4代目のモデル。画素数は、有効約6100万画素になり、先代「α7R III」の有効約4240万画素から大幅にアップ。撮影画像は緻密で、画像をクロップしても十分に使える画質である。それでありながらも、AF/AE追従でメカシャッター時約10コマ/秒の高速連写が可能。像面位相差AFセンサーによる、オートフォーカスも高速で、瞳AFは正確で被写体の追従性もよい。高画素と動体撮影を高い次元で両立させている。
また、大型化したグリップやボタンの機能変更、露出補正ダイヤルのロック機構など操作性、バッテリーの大型化など使い勝手も大きく改善されている。「フルサイズαの集大成的存在」「現在のミラーレス機としては最も高い性能」「オールマイティーという言葉はこのカメラこそふさわしい」など多くの選考委員が評価した。同シリーズの「α7R II」は2016年にカメラグランプリ大賞を受賞している。
■カメラグランプリ2020 レンズ賞 FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(ソニー)
焦点距離200〜600mmの超望遠ズームレンズ。同社のカメラと組み合わせて、高速かつ静かでレスポンスのよいAFを実現。インナーズームにより、ズーミングしても全長が一定で重量バランスの変化が少ないのは、小型なミラーレス機用レンズとして使い勝手に寄与している。少ない回転角で操作できるズームリングなど操作性もよい。開放F値はF5.6-6.3であっても、電子ビューファインダーや同社のAFシステムでは問題にならない。光学式手ブレ補正を搭載し、小型・軽量で取り回しのいいレンズに仕上がっている。
そうした使い勝手のよさに加え光学性能も高く、その性能やスペックに対して安価であることにも評価が集まった。テレコンバーターにも対応し、最大1200mmのレンズとして使える。現時点でのミラーレス用超望遠ズームの決定版ともいえ、モータースポーツはもちろんのこと、飛行機、野鳥の撮影などに重宝するレンズだ。東京五輪では、間違いなく「オリンピックレンズ」というべき存在になるだろう。
■カメラグランプリ2020 あなたが選ぶベストカメラ賞 α7R IV(ソニー)
高画素機でありながら、それにとどまらずAF性能などバランスのよさが好評だった。また、ミラーレス機としてトップクラスの性能であり、フルサイズミラーレス機の位置付けを変えたモデルという評価も多かった。
投票理由の一部は以下の通り(一部抜粋/編集)。
「すべてが高次元にまとまった高画素数ミラーレス」「高画素ながらバランスのよいカメラ」「進化したAFで、連写も暗所対応も可能というオールマイティーさ」「画質、画素数、AF性能、動画機能などすべてが高いレベルにある」「超高画質なのに手軽に使えて汎用性が高い」「性能、画素数、操作性、どれを取ってもトップクラス」「高解像度と高感度耐性、AF性能のバランスが絶妙」「センサー性能と総合力」「すべての部分が高次元すぎる」「小さいにも関わらず圧倒的に高画素」「使い勝手も進化してほかの追随を許さない」「軽くて、操作性もよく、写りもとても良くて、写真を撮ることが楽しくなるカメラ」「今後のα7Rシリーズの進化が楽しみ」「APS-Cクロップしても20M以上残る画素数」「想像を膨らませてくれる余裕のハイスペックに脱帽です」
■カメラグランプリ2020 カメラ記者クラブ賞 EOS-1D X Mark III(キヤノン)
大きな進化を遂げた究極のフラッグシップ一眼レフ。これまでの一眼レフ機のアドバンテージ部分を順当に進化させた。一眼レフとしてAEセンサーを使った被写体認識やAF/AE連動で約16コマ/秒の高速連写を実現しただけではなく、デュアルピクセルCMOS AFによるライブビュー撮影でも高速かつ、確実に追従するAFで約20コマ/秒を実現している。ミラーレス機が主流になりつつある中で、一眼レフのメリットと存在価値を強く主張している。
新開発で16点に分離させるGD(Gaussian Distribution)ローパスフィルターを採用。モアレを抑えながらも、レンズの解像感を生かす設計になっている。また、新開発の画像処理エンジンDIGIC Xによって連写性能や動画撮影にも寄与している。一眼レフとしての高い性能と、ミラーレス機に繋がるライブビュー性能のよさも実感できる、最高峰のデジタル一眼レフカメラである。
■カメラグランプリ2020 カメラ記者クラブ賞 NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct(ニコン)
2018年に同社の新ミラーレスカメラのZシリーズと同時に発表され、そのZマウントは、このレンズを作れる寸法に設計されたと明かされた大口径標準レンズ。ニコンZマウントシステムを象徴するレンズといえる。一眼レフ用のFマウントの制限から解放され設計の自由度が向上したことを存分に生かしている。標準域のレンズでありながら、大きなマウントおよび開放F値0.95により、望遠レンズ並みの大きなボケを実現。その浅い被写界深度は、これまでとは異なる表現を可能にする。大口径でありながら、周辺まで優れた画質を誇る。
MFレンズであり高価ではあるものの、それに足るあこがれが持てるレンズだ。2020年5月18日現在、受注が休止されているのは残念だが、そうせざるを得ないほどの注文が多いのは、本レンズだけでなく、新マウントシステムとしての期待の表れといえる。
■カメラグランプリ2020 カメラ記者クラブ賞 FUJIFILM GFX100(富士フイルム)
43.8×32.9mmの大型センサーを採用するGFXシステムの中でも、1億200万画素という超高画素を生かしつつも、機動的に撮影できる仕様を両立した意欲的なカメラ。単に高画素というだけではなく、顔や瞳認識をはじめとする高速なAFシステム、また、5軸5段のボディ内手ブレ補正機構を搭載。それでいて、35mm判のプロ機と変わらないサイズや操作感を実現し、1億200万画素の性能を手持ち撮影でも十分に生かせるようにしている。
大きなセンサーサイズの余裕と、画像処理の技術により14ストップという広いダイナミックレンジを実現している。スタジオ撮影だけではなく、防塵・防滴、耐低温性能を確保することで、屋外での撮影にも対応。1億200万という高画素を、身近な存在にしたカメラといえる。
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