2012年06月13日　12:30

エステー、感度を大幅に高めた家庭用放射線測定器

エステーは、家庭用放射線測定器の新製品「エアカウンターEX」を発表した。6月20日より自治体や学校、教育機関、除染事業者などを対象に発売。個人向けには、8月上旬より同社のインターネット通販で発売する予定だ。

検出方式に、これまでのSi半導体と比べてより高性能となる「CsIシンチレーション式」を新たに採用。これによってCs137の測定感度が格段に高まっており、測定時間は2012年2月発売の第2弾モデル「エアカウンターS」の最長2分に対し、1/4となる約30秒を実現している。

また、精度も±20%から±15%へと高めており、低線量時でもより精度の高い測定が可能。移動しながらでもホットスポットを高精度に特定できるという。加えて測定範囲を「エアカウンターS」の0.05μSv/h～9.99μSv/hから、 0.01μSv/h～99.9μSv/hに大きく広げている。このほか、計測中に放射線を感知する度にブザーが鳴る機能を引き続き搭載するほか、計測完了後、5秒経過する毎に数値を更新しながら、連続測定することが可能となっている。

「エアカウンターEX」の測定の仕組みは、放射線が入るとシンチレータが微小な光を発し、この光をフォトダイオードで得られるパルス電流を計数化することで、1時間あたりの人に対する放射線の影響がどれだけあるかを表す単位である毎時マイクロシーベルトに変換し表示する。この測定値については、国の認定を受けた第三者機関によって、国家標準に基づいた校正を実施し、承認を受けているという。

なお、本製品で採用している「CsIシンチレーション式」は、1年を超えて使用した場合、校正作業が必要になる場合があるという。このため、同社はユーザーに向けて簡易校正サービス（有償）を行う体制を整える予定だ。

電源には単4形アルカリ電池×2を使用し、電池寿命は約125時間（ブザーOFF時）となる。本体のほか、首都大学東京の福士政広教授が監修した小冊子「正しく覚えよう！放射線の基礎知識」が付属する。

価格は19,800円。