2021年01月29日 06:01

メルセデスが新型「Sクラス」を発売 高級サルーンのベンチマークがフルモデルチェンジ

メルセデス・ベンツ日本は2021年1月28日、新型「メルセデス・ベンツSクラス」を発表し、同日販売を開始した。

よりシンプルでクリーンなデザインに

SクラスはLセグメントに属するメルセデス・ベンツ伝統のフラッグシップセダンである。8年ぶりのフルモデルチェンジによって登場した新型は、本国で2020年9月に発表。「Sensual Purity(官能的純粋)を追求したデザイン」や「人間中心の最新技術」「安全性のさらなる追求」などをテーマに開発された同車を、メルセデス・ベンツは「『現代に求められるラグジュアリー』を再定義し、その充実を図った意欲的なモデル」と説明している。

エクステリアデザインはラインやエッジを大幅に削減したシンプルかつクリーンな造形が特徴で、メルセデス・ベンツ車として初めて格納式のアウタードアハンドルを採用。従来モデルより前面投影面積が拡大したにもかかわらず、Cd(Constant Drag=空気抵抗係数)値を0.22に抑えるなど、世界最高水準のエアロダイナミクスを実現しているという。

一方、インテリアは「デジタルとアナログの調和」を意図したものとされており、運転席と助手席の間にはセンターコンソールとシームレスにつながった意匠の12.8インチ有機ELメディアディスプレイを装備。このディスプレイに多くの機能を集約することで、スイッチ類の少ない、すっきりとしたインストゥルメントパネルまわりを実現しているという。

先進的なインターフェイスに注目

このディスプレイとともに空調やナビゲーション、インフォテインメントシステムなどの操作を担う音声認識機能「MBUX」も進化しており、今回新たに、どの席の乗員が発話しているのかを聞き分ける機能が追加された。乗員がボイスコントロールを行うと、アンビエントライトがその席をハイライト。発話者のゾーンのみ温度設定を変更したり、エンターテインメントシステムを操作したりと、それぞれの席にひもづいたコマンドを実行できるようになった。

さらには、手のジェスチャーによってさまざまな機能を操作する「MBUXインテリア・アシスタント」も新採用。“Vサイン”を見せることで特定の機能のショートカットを有機ELメディアディスプレイに表示させたり、車庫入れの際にドライバーが後ろを振り向くだけで、リアウィンドウの電動ブラインドが自動で開いたり、といった操作や自動制御も可能となっているという。

このほかにも、ナビゲーションの案内表示などをフロントウィンドウに投影したり、逆に自車前方の景色をディスプレイに映したりすることで、より分かりやすい進路指示を実現する「ARナビゲーション」や、ドライバーの視線をモニタリングし、立体的な映像をディスプレイ上に表示する「3Dコックピットディスプレイ」など、インターフェイスには革新的な技術が多数取り入れられている。

世界初の後席用エアバッグを設定

予防安全・運転支援システムも既存のシステムから大幅にアップデート。新型Sクラスにはフロント長距離レーダー、フロントマルチモードレーダー(2個)、リアコーナーレーダー(2個)、ステレオマルチパーパスカメラ、360°カメラ(4個)、超音波センサー(12個)と多数のセンサーが搭載された。

これに伴い機能も進化しており、自動緊急ブレーキは右左折時の対向、飛び出し、巻き込みといったクルマや人、自転車との衝突にも対応。ドライバーのハンドル操作をアシストして衝突回避を支援する「緊急回避補助システム」は、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者、および自転車を含む車両も検知するようになった。

また「アクティブステアリングアシスト」については、既存のステレオカメラに加えて360°カメラも使用するようになったことで、対応可能なカーブが増えたほか、より車線中央を維持して走行するよう制御の精度が向上。ドライバーの異常(急死や急病による意識喪失)を検知すると自動で減速し、最終的に車両を停止させる「アクティブエマージェンシーストップアシスト」は、クルーズコントロールやステアリングアシストが使われていない状態でも作動するようになった。

パッシブセーフティーに関する機能・装備も強化しており、ロングボディー車には世界初となる後席用エアバッグをオプション設定。レーダーにより側面衝突される危険を検知すると、前席バックレストのサイドサポートに内蔵されたエアチャンバーが展開し、乗員をドアから遠ざけることで衝撃の軽減を図る「PRE-SAFEインパルスサイド」も採用している。

駆動方式は全車4WDを採用

パワーユニットは2種類で、「S400d」には「OM656」型3リッター直6ディーゼルターボエンジンを搭載。330PSの最高出力と700N・mの最大トルクを発生する。一方、「S500」のパワーユニットは最高出力435PS、最大トルク520N・mの「OM256」型3リッター直6ガソリンターボエンジンと48V電気システムの組み合わせで、エンジンとトランスミッションの間にあるモーター兼ジェネレーター(最高出力22PS、最大トルク250N・m)と、約1kWhのリチウムイオンバッテリーが、低速走行時にはエンジンをアシスト、減速時には回生エネルギーによる発電を行うことで、高効率な走りを実現するという。

トランスミッションはいずれも9段ATの「9Gトロニック」。また、どのような状況でも安定した走りを実現するため、駆動方式は全車共通で4WDとなっている。

ドライブトレインでは後輪操舵機構「リア・アクスルステアリング」の採用もトピックで、車速が60km/h以下の状態では、フロントと逆位相に最大4.5°まで後輪を操舵することで、小回り性能を向上。逆に車速が60km/hの状態となると、最大2.5°までフロントと同位相に後輪を操舵し、走行安定性を高めるという。

ラインナップと価格は以下の通り。

S400d 4MATIC:1293万円

S500 4MATIC:1375万円

S400d 4MATICロング:1678万円

S500 4MATICロング:1724万円

日本導入を記念した特別仕様車も発売

新型Sクラスの発売に合わせ、メルセデス・ベンツ日本は日本導入記念モデル「S500 4MATICロング ファーストエディション」の注文受け付けも開始した。

同車は540台限定で販売される特別仕様車であり、エクステリアは標準仕様とよりスポーティーなAMGライン仕様の2種類から選択可能。前者が19インチ、後者が21インチと、それぞれ通常より1インチ大きな専用アルミホイールも特徴となっている。ボディーカラーは「ダイヤモンドホワイト」と「オブシディアンブラック」の 2種類で、AMGライン仕様ではインテリアカラーも「ブラック」と「シエナブラウン/ブラック」の2種類から選ぶことができる。

また、インテリアではダッシュボードや前席のセンターコンソール、ドアトリムなどにもナッパレザーを使用。インテリアトリムは「ハイグロス・スレートポプラウッドトリム」、ルーフライナーはDINAMICA仕様となっており、前席シートバックや後席のセンターアームレストの一部にもウッドトリムを用いている。

装備も充実しており、2枚の11.6インチモニターからなるリアエンターテインメントシステムや、助手席側後席のフットレスト付きエグゼクティブシート、リアエアバッグなどからなる「リアコンフォートパッケージ」が標準で採用されている。

価格は標準仕様が1938万円、AMGライン仕様が2040万円。

(webCG)

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