2022年01月13日 15:09

【トヨタ ノア/ヴォクシー 新型】目指したのはオラオラ感ではなくスッキリ感、デザインに「3ナンバー化」の恩恵も

3タイプの顔とデザインのキーワード

1月13日より発売されるトヨタの新型『ノア』と『ヴォクシー』。タウンエースやタウンエース・ノアを起原としつつ、ノア/ヴォクシーという兄弟モデルとして打ち出されたのは2001年で、今次のフルモデルチェンジによって4代目へ進化した。

目線が最初にいくのはやはりフロントマスクだが、デザイン部エクステリア クリエイト室主査として外観を仕上げたトヨタ車体の曽和丈朗氏は、各モデルの顔の決め方を、こう語る。

「ノアのキーワードは“堂々・モダン・上質”、ノアのエアロモデルは“王道・アグレッシブ”、ヴォクシーは“若さ・個性”です。とはいえ今回の新型ではフロントマスク以前に、“長くいいものに乗り続けたい”という要望に応じるため、当初から3ナンバー化したことが功を奏したと考えています。室内を目いっぱい広くしてハコらしさを強調しながら、オーバーハングの短いシルエットで動感をもたせ、メリハリのあるサーフェイスを表現できました」

今回のノア/ヴォクシーはシリーズ全体の通奏低音として、「エナージェティック・ボールド(エネルギー感ある大胆さ)」を掲げている。ミニバンの基本価値である室内の広さやユーティリティの高さ。そんな内実が、堂々たるハコ・スタイルの外観に、自然と繋がり融合する。このコンセプトが、そのままアーキテクチャとして背骨として全体プロポーションの中に貫かれているのだ。

「基本は、乗る人の側を最大化するという考え方です。5ナンバー枠では、レリーフでしか表現できなかったものが、骨格として表わせたと思います」

表面ではなく内面から光るような存在感ありき。その上でやはり顔つきに、各モデルのキャラクターが込められ、表されている。

「狙いとしては、ノアは上質&モダン志向。エアロモデルは現行のヴォクシー・オーナーにも気になる存在であるよう、そしてヴォクシーは突き抜けたもの、人と違う個性を求める層に向けています」

思い切った造形のヴォクシー

フロントマスクの細部としてもっとも腐心したのは、ライト周りの考え方と処理だとか。ノアとエアロモデルについては、LEDヘッドランプのユニット自体は共通ながら、グリル全体の意匠とクローム部分の光らせ方で、スマートさとワイド感、それぞれの印象を分けている。

思い切った造形を採ったのはヴォクシーで、上段にLEDの日中走行灯、下段にへッドランプという2段構成は先代ヴォクシーに通じるアイコン的ディティールとしつつ、後者をあえてバンパー側、つまり下側に組み込んだという。確かに低い位置にマウントされたLEDヘッドランプを絡めとるように、バンパーの最下端から伸びるクロームの縁どりが、その異質な造形を際立たせている。

「加えてその内側、菱形パターンの下端に一体化させたライトはフォグランプではなく、透過光によるアクセサリーライトなんです」

こうして四角く広大なグリル全体が、カタチだけでなく光り方によっても強調される効果となっている。だがヴォクシーとて、バキバキに光らせるという発想ではなく、

「エアロモデルとヴォクシーのアルミホイールは、パターンもシルバーである点も一緒なのですが、内側の部分を前者はコントラストを強めるブラック、後者は少し薄いチャコールにしています」

よく眺めれば、なるほど違う、というレベルかもしれないが、今回のヴォクシーの撮影車両は「マッシブブルー」というグレーがかったブルーの外装色だったこともあり、足元のハイライトが確かに抑えられていた。

「ユーザーを調査したところ、カギとなるワードは“安心感のあるクルマ”である一方、ドライブやクルマ以外で好きなアクティビティやアイテムは、アウトドアやBBQ、鋳鉄のココット鍋やキャンプ道具などでした。そこで同じテイストを感じさせるソリッドカラーを採り入れました」

ボディサイド、リアビューにも3ナンバー化の恩恵

フロントマスクだけではく、リアのコンビネーションランプからガーニッシュにかけて、そしてボディサイドについても、3ナンバー化の恩恵が及んでいる。

「リアガーニッシュの面積を大きくできたことで、広さと安定感を表現できました。またボディサイドについては、スライドドアのレールとパワーバックドアのスイッチ、そしてプレスラインを合わせることで、余分なグラフィックを省きつつ、抑揚のあるサーフェイスを実現できたと思います」

左右のリアコンビランプからガーニッシュへLEDの発光部が回り込む点はノア/ヴォクシーとも共通だが、弧を描いて回り込む前者と水平に続く後者、という違いがある。フロントフェンダーから前後ドア、リアフェンダーへ至るプレスラインもしっかりしたエッジを実現しつつ緩やかな弧にまとめられ、質感を高めている。実際、曽和氏がデザイナーとしてこだわったところは、グラフィック部分だけではない。

「全体もそうですがリアビューを極力スッキリさせたくて、リアワイパーを普段は見えないように上の方、スポイラーの中に組み込みました。個人的に気に入っているのは、クォーターウィンドウ後端の丸みですね。当初は生産サイドからは“無理、できない”って断られました。ほら、曲線で強く絞られてリアランプとウィンドウの面に回り込んで繋がっていくでしょう? 異なる素材や部材が隣り合って見切れる部分を、できるだけ造形で合わせていくことでスッキリ感を出すのが、今回のノア/ヴォクシーの大きなテーマでしたから」

インテリアについても、異素材同士の合わせ目にクロームのインサートを入れるだけでなく、クロームの面積自体が細ってフェードアウトしていくような、控えめな演出がなされている。要はビカビカに光らせる面積を欲張ることが目的、という意匠ではないのだ。

「ファミリーカーとはいえ所帯じみた雰囲気でなく、乗っている方々の生活が輝やくような方向にもっていきたかったんです」

“ミニバンにしかないうれしさ”に真正面から向き合ったノア/ヴォクシーは確かに、はたから見える以上の進化を遂げているようだ。

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