こだわったのは「実効空力」と「異次元の接地性」、ホンダ ヴェゼル Modulo X 開発者に聞いた…東京オートサロン2022
14日、ホンダ『ヴェゼル e:HEV』に純正コンプリートカーである「Modulo X(モデューロX)」が追加されることが発表された。開発のモチーフになったのは「黒豹」。こだわったのは「実効空力」と「接地性」というだれでも体感できる性能だ。詳細は開発責任者(LPL)以下、設計・デザインスタッフに聞いた。
オールドホンダファンも満足できる仕上がり
Modulo Xはホンダアクセスが手がけるハイグレードなコンプリートカーのブランド。外部のアドバイザー、車両の監修として土屋圭一選手を擁して、上質感だけでない走行性能も極めるパーツやモデルラインナップに幅広いファンに支持されている。担当者の解説やデモ動画などをみても、高い走行性能、操縦安定性を期待させる感じで仕上がっている。
ヴェゼル e:HEVは、ホンダ独自のシリーズハイブリッドによる先進の走行体験、ガラスパノラマルーフ、後席や荷室にこだわったユーティリティなどから、じつは若い世代の新規開拓に成功した車種のひとつだ。だが、この裏返しは「古きよきホンダ車」が好きな層にとっては刺さらない車ということでもある。『ヴェゼルe:HEV Module X Concept』は、まさにこの層にもe:HEVやSUVの良さを再認識してもらえそうな車だ。
ホンダアクセスのヴェゼル e:HEV Modulo X Concept開発責任者である竹中晋平氏は、設計の方向性を示す言葉のひとつが「実効空力」だと話す。
実行空力とは?
「実効空力とは、日常の速度域でも体感できる空力効果のことです。自転車に乗っていれば風の抵抗をダイレクトに感じるように、車もレース領域にならなくても大きな風の力を受けています。そこに正しい空力デバイスを投入すれば、一般走行でも安定性や曲がりやすさを体感できる車を作ることができます。」
このとき、単に空気の流れだけを考えていてはダメだという。安定性や乗り心地を体感してもらうには、「専用の足回りを設計し、荷重を4輪に均等に分散せることが必要(竹中氏)」だ。前後のリフトをバランスさせ4輪の接地性も均等にする。こうすることで、車体は外乱に強くなり無駄なヨー変化の発生も抑えることができる。
「足回りは、スプリングのバネレートとショックアブソーバーの減衰率を調整しました。バネ形状やストラットケースは純正のままですが、シミュレーションとテストコース他での走り込みでチューニングしました。アドバイザーの土屋選手も気に入ってくれた足です。」
黒豹:ネコ科の足回り
取材時はテスト走行の動画だけの確認だが、舗装のうねりやバンプのあるコースを高速で駆け抜けるものだが、タイヤ・サスはストロークめいっぱいまで動いているが、ボディは微動だにしない。体感どころか車の軸がずれない「体幹」の良さを感じた。もちろん実際の道路では、速度や凹凸のぐあいによって変わってくるだろうが、ストロークのしなやかさはまさに「黒豹」(ネコ科のそれ)だ。
空力の要はやはりエアロパーツだ。ラインオフの形状を極力生かす必要がある純正コンプリートカーは、フルカスタムカーほどなんでもありの変更はできない。制約があるなか、ホンダアクセスはパーツの完成までに多くのステップを踏む。とくにこだわるのはデザイナーやエンジニアがテストコースに出て、実際に開発車両に乗り込み、そのフィーリングや結果を完成品に生かすことだ。
現場でデザイナーやエンジニアがモックを削る
もちろんシミュレーターも駆使するが、そこで普通のプロトタイプを作るのではなく、特殊フォームで整形したバンパーでの走行テストを繰り返す。ここでは、走りながら、バンパーなどをミリ単位で削って形を整えていく。盛り上げる部分はクレイ(粘土)を使う。説明に持ち込まれた試作バンパーは、実際に表面を削ったり、クレイによって作られたフィンや曲面のあとが残っていた。現場の試行錯誤の様子をうかがわせる。
開発中のバンパーの削ったり盛ったりしたところを見ると、どこが実効空力のポイントになったのかがよくわかる。フロント下のボトムフィン、バンパーサイドの微妙な曲面と整流フィン、リアバンパーと一体化したディフューザーなど、実際の走り込みによって生まれた形状だ。開発チームのクレイモデラーである竹腰環樹氏は「リアバンパーのサイドから後ろの造形がとくに気に入っています。サイドからの流れを後ろに巻き込ませ、ディフューザーのところで剥離させる重要な機能を持った部分です」と語る。
ヴェゼル e:HEV Module X Conceptは、コンセプトの名が示すとおり現時点でもまだ開発中だという。実車の出荷はまだ先になるが、発売が楽しみな車ではある。
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