2023年05月23日　05:10

GMが新型「シボレー・コルベットZ06」を日本導入　最高出力646PSの高性能スポーツモデル

新型「シボレー・コルベットZ06」と、ゼネラルモーターズ・ジャパンの若松格社長。

ゼネラルモーターズ・ジャパンは2023年5月20日、静岡県の富士スピードウェイで行われたファンイベント「CHEVROLET FAN DAY 2023」において、新型「シボレー・コルベットZ06」を発表し、実車を日本初公開した。

最もレーシングカーに近い「コルベット」

シボレー・コルベットZ06は、ミドシップの高性能スポーツカーである現行型コルベットの、ハイパフォーマンスモデルである。Z06といえば、過去の世代でも「コルベットのラインナップのなかで、最もレーシングカーに近い存在」とされており、今回発表された新型も、レーシングモデルの「C8.R」をベースに開発された。

最大の特徴はパワーユニットにあり、コルベットとしては1989年に「ZR-1」に搭載された「LT5」以来となるツインカムユニット、「LT6」を搭載している。この5.5リッターV8 DOHCエンジンは、C8.Rの「LT6R」とブロックやヘッドなどのコンポーネントを共用しており、同エンジンと並行して開発された。軽量なフラットプレーンクランクシャフトの採用により、日本仕様では最高出力646PS（475kW）/8550rpm、最大トルク623N・m（63.6kgf・m）/6300rpmを発生。厳しい騒音規制をクリアするため、米本国仕様より若干パワーダウンしているが、レーシングユニット直系のエンジンにふさわしい高回転・高出力を実現している。

このエンジンに合わせてドライサンプ式の冷却システムも性能を強化しており、既存のモデルでは3基だったラジエーターを、フロント3基、サイド2基（左右）の全5基に変更。より多くの空気を導入すべく、フロントフェイシアやサイドのエアダクトも大型化された。

本格的なサーキット走行を想定した足まわりと空力

ボディーやシャシーにもC8.Rの知見をもとに改良が加えられており、車体については「コルベットクーペ」より全幅を85mm拡大。フロントに275mm幅、リアに345mm幅のワイドタイヤを装着した。組み合わされるホイールは前が20インチ、後ろが21インチの鍛造アルミ製で、コルベットの市販モデルとしては最大のサイズとなる。

このほかにも、足まわりでは独自のチューニングを施した可変サスペンション「マグネティック・セレクティブ・ライドコントロール4.0」を採用。ブレーキには前にφ370mm、後ろにφ380mmのブレンボ製ディスクローターを標準で装備しており、さらにフロントキャリパーのピストン数をコルベットクーペの4つから6つに増やすことで、より本格的なサーキット走行にも対応する高いブレーキ性能を追求している。

エアロダイナミクスも強化しており、サーキット高速走行時の安定性とコーナリング性能の向上を図るべく、リアには調整式のウィッカービルを備えたスポイラーを装備。186mph（約300km/h）走行時のダウンフォースを、ベースモデルより約164kgも増強しているという。

仕様を絞ることで、いち早く日本導入を実現

世界初公開からおよそ1年半、いよいよ日本導入が発表されたコルベットZ06だが、現状では選べる仕様は1種類で、グレードは最上級の「3LZ」、ボディーカラーは「ブラック」、インテリアカラーは「アドレナリンレッド」の組み合わせとなる。

仕様を絞った理由について、ゼネラルモーターズ・ジャパンは「少しでも早く日本導入を実現するため、まずはこの仕様のみとした」と説明。上述の仕様を選んだ理由については、「刺激的な走りを強く想起させる組み合わせとした」とのことだった。なお米国でも、Z06では外装が黒、内装が赤の組み合わせが最も多く選ばれているという。

また、日本向けの生産台数は僅少となるため、現状では抽選販売が予定されている。正式な販売台数や抽選の方法などについては、2023年夏にあらためて発表される。ハンドル位置は、他の日本仕様のコルベットと同じく右のみ。価格は2500万円を予定している。

（webCG）