マツダ『ロードスター』次期型は1000kg級の軽さ追求、BEVも視野に
マツダ『ロードスター』(輸出名:『MX-5』)にとって、「軽さ」は重要な要素だ。電動化への対応と、ロードスターが長年追求してきた軽量スポーツカーとしての特徴をどう両立するのか。次期ロードスター、仮称NE型の開発方針が徐々に明らかになってきた。
初代から一貫して追求してきたのは、大排気量エンジンや圧倒的なパワーではなく、軽量な車体を生かした「人馬一体」の走りだ。しかし、電動化と環境規制が進む中、ロードスターも次の時代への対応を迫られている。
◆毛籠CEO「内燃機関のないシナリオにも対応」
マツダの毛籠勝弘CEOがドイツの自動車専門誌『アウト・モーター・ウント・シュポルト』の取材に応じ、次期ロードスターの開発方針を明らかにした。毛籠CEOによると、次期型は将来、「内燃機関のないシナリオ」にも対応できる必要があるという。
これは、次期ロードスターのBEV(バッテリーEV)化が正式に決まったという意味ではない。マツダUSAも次期ロードスターについて、規制などを考慮しながら、さまざまなパワートレインの可能性を検討していると説明している。次期型がまずガソリン車として登場した場合でも、将来の規制などに応じて、電動化に対応できる基本設計をめざしていることになる。
◆電動化による重量増加
そこで課題となるのが重量だ。バッテリーを搭載するBEVは一般的に車重が増える。軽さを特徴としてきたロードスターにとって、バッテリーとモーターの搭載による重量増は、従来の持ち味に影響する可能性がある。
毛籠CEOは、カーボンファイバーのような特殊素材に頼らず、基本構造そのものを軽量化する考えを示している。
◆目標は1200kgまで
開発陣に与えられた重量目標は、1000kgをわずかに下回る水準から1200kgまでだという。毛籠CEO自身も、この目標は達成できるとの考えを示している。
1000〜1200kgという重量が、将来設定される可能性のあるBEVを含め、各パワートレインにどのように割り振られるのかは明らかになっていない。それでも、次期ロードスターでは電動化への対応と軽量化の両立が重要な開発テーマとなる。
現行ND型ロードスターは2015年に登場した。欧州仕様には1000kg程度のモデルも存在し、軽量なスポーツカーとして設計されている。次期型でも、この軽量化の思想を引き継ぐ方針だ。
◆内燃機関はSKYACTIV-Z
いっぽう、内燃機関を搭載する可能性も残されている。
次期ロードスターには、マツダが開発を進める新世代2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIV-Z」の搭載が取り沙汰されている。SKYACTIV-Zはマツダが「電動化時代の基軸エンジン」と位置付ける新世代ユニットで、2027年中に次期『CX-5』へマツダ独自のハイブリッドシステムと組み合わせて投入する計画だ。
海外では次期ロードスターにもSKYACTIV-Zが搭載されるとの見方が出ているほか、軽量性を損なわないことを前提に、ハイブリッドを採用する可能性も指摘されている。
◆ロードスターは存続できるか?
次期ロードスターは、複数のパワートレインに対応する可能性がある。ガソリン、ハイブリッド、そして将来的にはBEVも選択肢となり得る。規制や市場環境が変化しても、ロードスターを存続できる設計が求められている。
登場時期について、マツダから正式な発表はない。海外では早くても2028年以降との見方がある。現行ND型は2015年の登場からすでに11年が経過しており、次期型への世代交代が2028年以降となれば、現行型は長期間販売されることになる。
◆ラインナップ上位に“ヒーローカー”を準備
毛籠CEOはさらに、ロードスターとは別に、マツダのブランド価値を体現する“ヒーローカー”をラインアップの上位に置きたいとの構想も明らかにした。大量販売を狙うモデルではなく、場合によっては手作業を取り入れた特別なスポーツカーとなる可能性にも言及している。
次期ロードスターの開発では、BEVになるか、ガソリンエンジンを残すかだけでなく、パワートレインが変わっても1000kg級の軽さと「人馬一体」を維持できるかが焦点となる。
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