2013年01月15日 11:30

【トヨタ クラウン 新型】なぜクラウンのフロントマスクを大胆チェンジしたのか

トヨタ自動車が2012年12月15日に発表した高級セダン『クラウン』。メディア向け発表会で豊田章男社長は「デザイン革命」を強調し、生まれ変わり(ReBorn:リボーン)をアピールした。

その新型クラウンで話題になっているのは、フロントマスクの大胆なデザインだろう。これまでトラディショナルな装いを貫いてきた歴代クラウンから一転、異形とも言えるフロントグリルが与えられた。

デザインの良し悪しは各々の判断に委ねるとして、フロントマスクの装いを大胆なものにすること自体は、「生まれ変わりを演出するうえでは必然の選択だった」と、トヨタの開発部門幹部のひとりは語る。

新型クラウンをよく見ると、フロントマスク以外の部分は、3ボックスセダンとして古典的な部類に属するプロポーションであることがわかる。ボンネットからAピラーの折れ角が強められているが、ルーフからCピラー、トランクへのラインは旧型のデザインコンセプトをほぼ継承している。

クラウンのスタイリングがおおむね決まったものになるのには、理由があるという。そのひとつはボディサイズだ。「クラウンには全幅1800mm以内という“不文律”があります。そうなっているのは、銀座のある駐車場にホイールをこすることなく駐車可能に作るため」(前出のトヨタ幹部)。クラウンクラスの大型サルーンを抑揚豊かにデザインしようとする場合、本来はあと50mm程度車幅が欲しいところ。寸法が限られているクラウンのデザインは、軽自動車のデザインに似た難しさがあるのだ。

もう一例はCピラーのデザイン。「クラウンクラスのセダンの後席に乗られるお客様は、ピラーが自分の側方に回り込んで、外界と遮断されているほうが安心感を持たれる傾向があるんです。Cピラーが前進したデザインになるのはそのニーズに応えるためでもあるんです」(デザイン担当者)

クラウンのスタイリングが代々似たものになる背景には、単に伝統を継承するということばかりでなく、ニーズに応えていくとこうなるという具体的な理由があるのだ。

トヨタはそのクラウンのデザインに新しさを与えるため、工夫を凝らしている。一例は側面にエッジの効いたプレスラインをフロントからリアを貫くようにつけていること。トヨタが昨年春にメディアに公開した新しいプレス技術が使われている。

が、クラウンのフルモデルチェンジを“刷新”ではなく“変革”と位置づけられるものにするには、そういったテクニックだけでは不十分だ。そこで白羽の矢が立ったのが、クルマのなかで最大のアイコンとなるフロントマスク。伝統が生む自己規制をはるかに超える大胆なデザインにすることで、リボーンを印象づけたのだ。

もっとクラウンらしいフロントマスクでもよかったのにという意見も少なからず聞かれるが、もし伝統的なマスクであったら、新型車デビューのときから古いイメージを与えてしまう恐れは多分似合った。大胆マスクの採用は必然だったと言えるが、それがわかっていても自動車メーカーにとって、チャレンジすることは恐ろしいことでもある。それをやりおおせることができたのは、豊田社長のリボーンに対する強固な意思があったからであろう。

新型クラウンの販売は今のところ、「発売当初に異常な売れ方をした旧型よりは少ないですが、やはり販売好調だったゼロクラウンより上」(トヨタ幹部)という状況。保守的なユーザーが多いとされるクラウンだが、古典と斬新さの融合はプラス側の効果を生んでいるとみていい。

もちろんトヨタのデザイン革命はこれで完成形というわけではない。「本当に素晴らしいデザインを作るためには、クルマの骨格自体が変わらなければならない。5年、10年のスパンで我々の挑戦を見守っていただきたい」と、デザインディレクター役を務める福市得雄常務役員は言う。クラウンのような制約のないモデルでは、さらなる飛躍があるかもしれない。

記事提供:レスポンス

掲載に関する免責事項について
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

トヨタ

価格.comで最新価格・クチコミをチェック!

トヨタ(toyota)の自動車(本体) ニュース

もっと見る

このほかの自動車(本体) ニュース

もっと見る

自動車・バイクニュースランキング

  1. ホンダ・フリード ハイブリッド クロスターHonda SENSING

    ホンダがマイナーチェンジした「フリード」を発売 SUVスタイルの「クロスター」登場

    自動車(本体)
    2019.10.18 11:45
  2. 今週のキーワードは“トヨタ”? 新型「ヤリス」と「グランエース」に熱視線

    自動車(本体)
    2019.10.18 18:45
  3. トヨタ・ヤリス 新型(欧州仕様)

    トヨタ ヤリス 新型、ハイブリッドの燃費は20%以上向上…欧州仕様を発表

    自動車(本体)
    2019.10.18 07:10
  4. 新型ホンダ・フィット

    ホンダが新型「フィット」の情報をウェブで先行公開

    自動車(本体)
    2019.10.17 07:00
  5. トヨタ・ヤリス

    トヨタが「ヴィッツ」改め新型「ヤリス」を初披露 クラスを超えた高性能をアピール

    自動車(本体)
    2019.10.16 15:40

総合ニュースランキング

  1. ホンダ・フリード ハイブリッド クロスターHonda SENSING

    ホンダがマイナーチェンジした「フリード」を発売 SUVスタイルの「クロスター」登場

    自動車(本体)
    2019.10.18 11:45
  2. 今週のキーワードは“トヨタ”? 新型「ヤリス」と「グランエース」に熱視線

    自動車(本体)
    2019.10.18 18:45
  3. ジェネシス、暗視撮影機能を搭載した「暗視双眼カメラ DGP-NVS01」

    双眼鏡・単眼鏡
    2019.10.18 16:13
  4. トヨタ・ヤリス 新型(欧州仕様)

    トヨタ ヤリス 新型、ハイブリッドの燃費は20%以上向上…欧州仕様を発表

    自動車(本体)
    2019.10.18 07:10
  5. Xperia 8

    ワイモバイル、21:9の6型スマホ「Xperia 8」を10月25日に発売

    スマートフォン
    2019.10.18 11:55

読んでおきたい まとめ記事

自動車

カー用品

バイク

写真で見る

  • CYBER・TV出力変換アダプター(SWITCH用)
  • Surface Pro X
  • Mini PC ProArt PA90
  • プチもっち RM-02HW