【アクセラ開発者への10の質問】Q7.コモンアーキテクチャという考えが持つメリットとは?
マツダが2013年11月21日に発売した新型『アクセラ』。発売から4ヶ月での受注台数は2万5000台を超える好調振りを見せている。
同社の“SKYACTIV TECHNOLOGY”や“i-ACTIVSENSE”を搭載し、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3種類のパワートレインをラインナップ。さらに、新世代カーコネクティビティシステム“マツダコネクト”を採用した新型アクセラの誕生秘話と魅力を探るべく、開発陣に「10の質問」を行った。
Q7.コモンアーキテクチャという考えが持つメリットとは?
A7.開発の効率をアップさせると共に、「もっと良いものを」という技術者の使命感に火をつけクルマを進化させることができる。
どうして新型アクセラは、これまでになく人馬一体感を得られる仕上がりになったのか。それには『CX-5』から始まったコモンアーキテクチャという考えが影響していると言う。そこで車両開発本部副本部長である松本浩幸氏にその概念がもたらす開発方法について、話を伺った。
「10年先まで通用するプラットフォームを作って、それを各車種で展開しています。そのため基本的な素性は変わりません。高速でのどっしりとした安定感であるとか、ボディ剛性の高さ、軽量化など、そういう基本となるところは一括企画でまず作り込むんです」。
そうすることで全体として開発コストを抑えながら、基本性能に優れたプラットフォームの開発ができる、効率のいい考え方だ。アクセラ開発主査の児玉眞也氏からは、実際の開発過程でのメリットを教えてもらった。
「一旦、考えてしまえば、それぞれのモデルに最適化するだけなので、効率がいいんです。構造の考え方を一番最初に作って、それをCX-5から、『アテンザ』、アクセラへと対応させる。構造としてこうあるべき、という固定要素を作ったら、変動要素をモデルごとに最適化するんです」。
基本性能に優れたシャーシが作り出せるだけでなく、搭載するパワートレインについても効率化は著しいと言う。
「パワートレインも基本的に共有しているので、1車種ごとにキャリブレーションやチューニングを行う作業が少なくなりました。そうやって出来た余力を次のスカイアクティブの世代の開発に回せる、というのも大きなメリットなんです」(児玉氏)。
同じようにプラットフォームの共有化を図る考えに、いわゆるモジュール構造がある。コモンアーキテクチャは何が違うのだろうか。
「足回りに関して言えばアクセラの場合、アテンザ,CX-5と部品の共用はいっぱいありますね。でも大きな部品ではないんです。ブラケットとか小さいパーツが主なので、コストベース、重量ベースでは1割くらいでしょうか。リヤサスペンションでは形式がマルチリンクで基本的な構造は同じですが、アーム類などは車種ごとに専用設計しています」(児玉氏)。
シャーシを広げることでサスペンションのアーム類さえも共有することはできるだろうが、それをしないで最適なジオメトリーを追求するのがコモンアーキテクチャ、という見方もできそうだ。しかもコモンアーキテクチャがもたらすメリットは、そうした効率的な部分だけではない。再び松本氏に見逃せない副次的な効果を教えてもらった。
「同じプラットフォームを使ってCX-5、アテンザと開発していく過程で、やはり技術は進化していくんです。クルマの仕上がりの中で、技術者が時間をかけるほど良くなっていく領域が全体の2割くらいに存在するんです。技術者が元々もっている使命感といいますか、そういう気持ちが自然と働くんですね」。
それはエンジニアという人種が持っている欲求、プライドがさせる仕事と言ってもいいかも知れない。
「担当者はクルマごとに代わっていきます。CX-5の成功があって、その次に出すアテンザのエンジニアはそれを超えるものを出そうとするんです。するとアクセラのエンジニアも、それを超えたいと努力します。前のモデルの技術をベースにしながら、もっと何か出来ないか、という領域を探すんですね。これを“熟成”と呼んでいます。基本的な部分は変えないんですが、あとの20%のところは、もう少し、もう少しと、日々考えながら進化させていったんです」。
今回のアクセラでは、エンジンの制御に関しても“熟成”が行われていると言う。パワートレイン開発本部長の廣瀬一郎氏からも「前と同じものをそのままでは出せません」と技術者のプライドを感じさせる言葉が聞けた。加速感の質感にこだわったと言うが、それは具体的にはどういうことなのか、走りに関する話はまた後ほど、お届けさせていただこう。
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