2015年10月19日 09:15

【スズキ ソリオ 新旧パッケージング比較】 愛犬家にも薦めたい理想のプチバン…実測編

新型『ソリオ』は新プラットフォームの採用やパッケージングの見直しによって、プチバンとして最強の使い勝手を実現した1台である。

例えば先代比で室内長はなんと400mm増し。前後乗員間距離も55mm増しで、さらに全高が20mm低まったにもかかわらず室内高は15mm増しというデータなのである。

しかし、メーカーデータの室内寸法、特に室内長は独自の測り方をしているため、実際に新型、旧型を乗りくらべてみないと真実は分からない。そこで、ここでは身長172cmの乗員が実際に前後席に座った際の各部の実測寸法を紹介したい。

まず、前席のヒップポイントは先代比で20mm低い地上675mmに設定されているが、乗車しやすくなったことはもちろん、頭上方向のゆとりは先代比約35mm増しの300mmある。つまり30cmの定規1本分の空間が頭上にあるということだ。また、インパネ下部の出っ張りが20mm奥まったため、足元の広さも拡大している印象だ。

室内空間拡大の恩恵をより実感しやすいのが後席だ。先代比で前後乗員間距離55mm増し、室内高15mm増しというのがメーカーデータだが、実際に身長172cmの乗員が後席に着座すれば、頭上方向は先代同等の約220mm(これでも十二分に広い)。しかしひざ回りスペースはシートスライド最後端位置で40mm増しの約400mmに達する。後席ひざ回り空間は直接的ライバルと言えそうなポルテで360mm。スズキが『ランディ』として販売しているMクラスミニバンの日産『セレナ』の2列目席、レクサス『LS』の後席が約300mmなのだから、400mmという数値がいかに広いかが分かっていただけると思う。

ソリオはプチバン的キャラクターであり、このクラスでは珍しい両側スライドドアを備えているのが特徴だが、ステップは地上335mmとごく低く、子供やお年寄りの乗降のしやすさはもちろん、愛犬を乗り降りさせるにも好都合と言える。

愛犬を乗せるとなれば、経験上、後席足元フロアの広さも重要になってくる。つまり、フロアで犬をくつろがせたり、フロアからシートに飛び乗る“助走スペース”としてのフロアスペースである。さすがにメーカーもこのデータを公表していないが、そのフロアスペースは先代の幅1240×奥行き420mmに対して、新型は幅1250×奥行き500mm。犬をくつろがせるためにより寸法が欲しい奥行きの余裕が増した点を歓迎したい(実際に大型犬をこっそり乗せてみた)。

荷室は開口部の高さ、幅は先代同一。しかしフロア高は25mm低くなり、多くのステーションワゴンよりわずかに高い程度に。奥行きは25mm増えた410mm、高さは40mm以上増した1055mmだ。そして後席をフラットに格納したときのフロア長は1120mm、身長172cmのドライバーのドライビングポジションでシートバック背後までの距離を計ると1530mmに達する。

ところで、荷室の最大幅は先代比で45mm増した1305mmと説明されているが、フロアの実測実質幅は先代の1140mmに対して新型は1030mmと狭まっている。これはリヤサスが関係していると思われ、先代の荷室幅が有効に取れる、スズキの軽自動車定番のI.T.L(アイソレーテッド・トレーリング・リンク式コイルスプリング)から一般的なトーションビーム(これも空間効率に優れる形式だが)に変更されたのが理由のひとつかもしれない。

が、ライバルの1台と言えそうな、全幅1695mmの『ポルテ』の荷室フロア幅が1000mmだから、決して幅狭いわけではないが、先代の荷室幅が広すぎたというべきだろう。

ちょっと気になるのは、2WD車で100リットルの容量を持つサブトランク(深さ310×幅590×奥行き550mm程度)のふたとなるラゲッジボードがただふたとしてパタンと乗っているだけという点。サブトランクの荷物を出し入れしているときに固定できないのが難点で、これは要改良点だろう。例えばスイフトは、ラゲッジボードを斜めに立てた状態で仮固定できるのだ。

最後に新型ソリオに乗って感動したポケット!? をひとつ紹介したい。それは運転席座面左脇にある布製のポケット。スマホやガラケーを出し入れしやすく、また樹脂製のトレーに置くのと違いキズが付きにくく、動いたときにガタガタ音がすることもない。これまであるようでなかった便利なポケットである。

ちなみにステアリング奥のインパネアッパーボックスには純正ビルトインETC車載器を設置可能で、全方位モニター付きメモリーナビを装着すれば、スマホ充電用のUSBも標準装備されるから便利だ。

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