2016年10月21日 11:10

三菱、ルノー日産アライアンスの一員に

日産自動車と三菱自動車は2016年10月20日、日産が三菱への2370億円の出資を完了し、発行済み株式の34%を保有する筆頭株主となったことを発表。三菱は、ルノー日産アライアンスの傘下に入ることとなった。

■販売台数1000万台規模の自動車グループに

日産と三菱は、2016年5月に戦略的アライアンスに関する覚書を締結。技術開発や部品の調達、各市場におけるプレゼンスの向上など、さまざまな分野において協力することや、日産が三菱に出資することについても合意していた。

今回の三菱のアライアンス入りにより、ルノー日産アライアンスの2016年度におけるグローバル販売台数は1000万台に達する見込みとなる。また提携によるシナジー効果については、日産は2017年度に237億円、翌年度以降は年間593億円の効果が得られると予想。三菱も2017年度に1%、2018年度に2%、2019年度に2%以上経営利益率が向上するとし、パートナーシップの効果に期待を寄せた。

同時に、今回の記者会見では日産のカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)が三菱の取締役会長候補に選出されたことも発表。燃費不正問題や、日本国内での経営不振から三菱を立て直すため、日産から同社に送り込まれる人員についてもアナウンスされた。

具体的には、すでに三菱の開発担当副社長に就任している山下光彦氏に加え、専務執行役員の川口 均氏と常務執行役員の軽部 博氏を取締役に選出。また三菱の益子 修CEOによる日産経営幹部の三菱経営陣への派遣の要請に応え、日産CPO(チーフ・パフォーマンス・オフィサー)のトレバー・マン氏が三菱のCOO(最高執行責任者)に就任することとなった。さらに、コンプライアンスおよびリスク管理を監督するグローバルリスクコントロール担当の役員を、CEOの直属として新たに設置。取締役会に対して、ガバナンス向上策についての定期的な報告を行うとした。

これについて益子CEOは、「日産の積極的な、戦略上、業務上および経営上のサポートを心より歓迎する」「リバイバルプランのノウハウや、日産の成功体験に学んでいきたい」とコメント。「できるだけ円滑に新体制を軌道に乗せ、次の世代につないでいきたい」とした。

また、三菱への人員派遣にともない、日産では11月1日付で役員体制を変更。現在COO(チーフコンペティティブオフィサー)を務める西川廣人氏がゴーン氏の共同CEOに就任したほか、トレバー・マン氏の後任として同社の北米事業を担当するホセ・ムニョス氏がCPOを務めることとなった。

■経営再建はあくまで三菱自身の役目

質疑応答では、燃費の不正が行われていた当時代表取締役社長であった益子 修氏によるCEO続投について話が及んだ。これについてゴーン氏は「益子氏からは責任をとって辞任したいという申し出があったが、私が残るように要望した」とコメント。「株主の期待に応えるのがビジネスの基本。株主の利益のためにも益子氏は残るべきだと判断した」「三菱の従業員に、(日産の出資後も)三菱は三菱のままである。三菱が三菱を改革していくということを、理解してほしかった」とその理由を述べた。

また三菱の経営再建については「マネジメントの責任を持つのが取締役会や会長の役割ではない」「(三菱の取締役となった日産のメンバーも)オペレーションには関与しない」とコメント。先述の人員派遣についても益子氏の要請によるものであると述べ、三菱の経営に積極的に関与しない姿勢を強調した。

このほかにも、両社の提携によるシナジー効果については「話し合いが始まったばかり」「今日紹介できるのは“low-hanging fruit”(低い位置になっている果物)、短期的に得られる効果だけ」であるとしつつ、三菱のプラグインハイブリッド技術がアライアンスの標準として採用されたことや、三菱がインドネシアの新工場で作る新型MPVを日産にOEM供給する計画などを紹介。「これまでは日産とだけだったが、今後はルノーとの間でもシナジーの話し合いを行っていく」(益子)等と述べ、意欲をにじませた。

(webCG)

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