2018年09月24日 06:55

最新SUV比較、パワートレインや先進機能はどう違う? …アウトランダーPHEV、CR-V、フォレスター

2018年、トヨタ『RAV4』の日本国内販売復活、SUBARU(スバル)『フォレスター』のモデルチェンジなどSUVに関する大きな発表が相次いだ。また、スズキ『ジムニー』の新型が爆発的な人気を呼んでいる。

そこで、気になる新型SUV3車種、三菱『アウトランダーPHEV』、ホンダ『CR-V』、フォレスターをピックアップして、それぞれの機能や特徴を比較。各車の個性や設計コンセプトなどが際立つ結果となった。

●ツインモーター4WDで余裕の電動SUV…アウトランダーPHEV

アウトランダーPHEVは、三菱自動車らしさを凝縮したようなクルマといえるだろう。三菱は『パジェロ』や『ギャランVR-4』といったオフロードから競技用まで4WD技術に定評がある。また『i-MiVE』やパイクスピークの「i-MiEVエボリューション」などEV技術も先行している。そしてSUVについてもパジェロ、『RVR』、『デリカ』といったブランドを持っている。

フルタイム4WDについても独特なシステムを採用。フロントはエンジンとモーターによるシリーズハイブリッド方式のパワートレインを搭載し、リアはモーターによるEVパワートレインを採用している。走行モードはEVモード、シリーズハイブリッドモードに加え、パラレルハイブリッドモードの3つ。CR-Vではエンジン直結走行モードがあるが、アウトランダーPHEVのパラレルハイブリッドモードでは、リアをEVで駆動させながら、フロントはエンジンによる駆動にモーターによるアシストを加える。これは、『プリウス』などがエンジン走行を基本としながら、モーターによる走行を補助的に利用するのと同じ方式だ。しかし、ベースはあくまでEVであり、走行の基本はEVによる4WDとなる。そのため、バッテリー容量も13.8kWhと大きく、カタログ値ではEV航続距離は最大65kmになっている。プリウスPHVもカタログ値で最大60kmのEV航続を謳っているが、こちらは車両重量が1.5トン。アウトランダーPHEVは1.9トン。実走行でも40〜50kmはバッテリーだけで走ってくれそうだ。近所の買い物どころか、通勤に使ってもガソリンは消費しない(充電は必要だが)走行が期待できる。

アウトランダーPHEVの4WDは前後輪が別々のパワートレインを持っている。そのため一般的な4WDのようにセンターデフの機構がない。前後のデフもオープンタイプだ。4WDとしての4輪のブレーキやトルク制御はS-AWCが担う。S-AWCは、滑りやすい路面などで適切なブレーキ・アクセル制御を行うASC、コーナリング時のハンドル角、ヨーレイトなどを入力とするAYC(トルクベクタリング)、それにABSを統合制御するものだ。

S-AWCはモードスイッチによってSPORT、ECO、NORMAL、SNOW、LOCK(前後のトルク配分を55:45で固定)が選択可能だ。ドライターマックからグラベルまで路面状況によってモードを切り替え、ASC、AYC、ABSを細かく制御してくれる。

筆者が注目したのは、回生ブレーキの発電量をステアリングのパドルで6段階、制御できる機能だ。パドル操作を積極的に使えば、ギアシフト(によるエンジンブレーキ)の代わりに利用できる。リーフなどのe-ペダルもそうだが、回生ブレーキは充電だけでなく速度制御に使うと運転の幅が広がる。峠道などMTなら低めのギアで走りたいときアウトランダーPHEVの回生ブレーキパドルは便利だ。ただし、バッテリーがフル充電に近い状態では、回生ブレーキの減速効果は得られない。あくまで補助ブレーキと考えるべきだ。MT感覚のキビキビした走りを堪能したいなら、アクセルオンによる加速(放電)もしっかり行うことだ。

ワンポイント装備としてオススメなのは、1500WのACアウトレット。車内と荷室に2か所設けられている。15Aをフルに使うことはないだろうが、主だった家電製品は問題なくつなげる。シガーソケットの電源(DC12V)を家庭用のAC100Vに変換するインバーターがカーショップなどで売られているが、一般的な容量は200W前後と小さい。1500Wという容量は、プリウスPHVと同等だが、バッテリーの容量がちがう。アウトランダーPHEVのほうがより実用的だろう。

●ユーティリティと動力性能のCR-V

第一次SUVブームともいえる1990年代半ばに登場したCR-Vは、2011年の4代目限りで国内販売がいったん休止されていたが(5代目は北米での販売)、2018年6代目から日本市場に復活した。この流れはトヨタのRAV4と同じで、近年のSUVブームで復活したコンパクトSUVのひとつだ。

ガソリンエンジンによるVTECターボ車の設定もあるが、特徴は新開発エンジンを搭載したi-MMDによるシリーズハイブリッド車であること。そして最近のコンパクト〜ミドルサイズSUVでは見かけなくなった3列シートをガソリン車に復活させたこと。

i-MMDはエンジン出力軸に発電用モーターを直結し、その電力またはバッテリーからの電力によって走行用モーターを回転させるもの。ここまでは日産ノートやセレナのe-POWERとほぼ同じシステムだ(モーターやクラッチの位置が異なる)。i-MMDでは、エンジン出力をモーターを介さず直結するクラッチを持っている。高速での巡航時にエンジン駆動に切り替えるための機構だ。つまりパラレルハイブリッドでもある。

したがって、i-MMDでは、バッテリーのみによるEVモード、エンジンで発電した電力でモーターを回すハイブリッドモード、エンジンで走行するモードという3つのモードがある。一般にシリーズハイブリッドは、高速巡航時の効率が良くない。高速道路を多用する場合、エンジン走行モードの有無は燃費に影響してくる。CR-Vは街中はEV走行やハイブリッド走行、高速道路ではエンジン走行と、状況ごとに最適な走行が可能だ。

3列シートの復活は、グループで出かけることが多い人にはうれしい装備かもしれない。子どもの習い事などで知人・友人を乗せる機会が多い人にもいい。ハイブリッド車ということで、燃料タンクやバッテリーの配置が必要な車両後部にあって、あえて3列目シートを設置した工夫と技術はすごいと思う。ミニバンでもウォークスルーなど独自のシートアレンジにこだわるホンダならではだ。だが、やはり3列目シートは、エマージェンシーユースであり常時5名以上の乗車が必要なら、フルサイズのワンボックスを選ぶべきだろう。

サスペンションもなかなか凝った作りをしている。ダンパーは振幅感応型となっており、入力の大小によって減衰力が調整される。ピストンバルブが2段階構造になっており、安定した路面で入力が少ない(小さい)ときは低い減衰力(柔らかく)となり、路面からの入力が多いときは2つめのバルブも作動して減衰力が上がる。

またフロント・リアのコンプライアンスロッドのブッシュは液封式が採用されている。ゴムブッシュによる反発や細かい振動を和らげる効果がある。他にもリアのサブフレームはブッシュをかませることでフローティング構造となっている。

どれも、乗り心地を向上させるための機構だが、振動の吸収や減衰力の調整は操縦安定性にもつながる。非常にマイルドな動きとなるが、半面、悪路走行でスピードを上げると緩慢な動きが気になるかもしれない。

運転席の電動シートは、2名分のポジションを記憶できる。1台の車を家族で共有することが多いコンパクトカーやミニバン、SUVこそ必要な機能だと思う。

●道を選ばないCASE車両…フォレスターのe-BOXER

最後は新型フォレスター。ガソリンモデルは動力性能(直噴型に改良されたFB25エンジンは175psから184psに引き上げられた)やユーティリティなどの正常進化ともいえるが、注目はe-BOXERだろう。e-BOXERはモディファイされた『インプレッサ』のエンジン(FB20)に、パラレルハイブリッドシステムを搭載したもの。パラレル式なので、CR-V、アウトランダーPHEVと違って、ガソリンエンジン走行が基本となる。

フルタイムAWDを含む動力性能の制御は、Si-DRIVEと改良されたX-MODEが行う。通常はSI-DRIVEインテリジェント・モードにしておき、スポーティーな走りを楽しみたいならスポーツ・モードにする。また雪道など高い走破性が求められるシーンでは、X-MODEが利用できる。

X-MODEは4輪のブレーキを独立して制御することで、デフの働きを抑制し、より高いトラクションを得るものだ。スタック脱出に効果があるが、新型フォレスター以前は、(タイヤの空転防止の)トラクションコントロールまでは制御を行っていなかった。そのため、本当に深い雪やぬかるみでX-MODEでもタイヤが空転してしまうような状況では、手動でトラクションコントロールをOFFにする必要があった。新型フォレスターのX-MODEにはトラクションコントロールをOFFにするモードが加わっている。

操縦安定性や乗り心地については、SGPをベースとしたボディ剛性の上でサスペンションジオメトリの最適化によって達成しようとする設計だ。まずフレームをしっかり作り、そこにサスペンションアームやリンク機構の動きを決める。サスペンションチューニングの前にボディやフレームをしっかり作るというアプローチは競技車両の設計に通じるものだ。

スバルといえばいち早く衝突被害軽減ブレーキシステムとしてアイサイトを市販車に導入し、のちのADASブームの先鞭をつけた企業だ。新型フォレスターでは、ドライバーモニタリングシステムを投入してきた。ダッシュボード中央、マルチファンクションディスプレイに内蔵された赤外線カメラが、ドライバーの状態を確認し、脇見や居眠りなどを検知し、ワーニング等を行う。

ドライバーモニタリングシステムは安全のためだけの装備ではない。5名までの顔認識を行い、シートやミラーの位置などを自動的に調整してくれる機能も持っている。認識のための特別な操作や手順は必要なく、普通に乗り込めばセンサーカメラが誰が乗ってきたのかを識別する。パワーシートの設定をメモリできる車種は高級車では珍しくないが、ファミリーカーでもCASE車両の普及とともに、このようなパーソナライズ機能は必須となってくるだろう。将来的な拡張を見据えてか、ドライバーモニタリングシステムは、運転席だけでなく助手席などもセンシングの範囲としている。

記事提供:レスポンス

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