2019年10月09日 11:40

【池原照雄の単眼複眼】無料イベントも仕掛けてファンづくり…大変身する東京モーターショー2019

◆3つの「オープン」で未来のモビリティや社会を提示

10月24日に開幕する東京モーターショー2019は、広域となる会場や大掛かりな無料イベントの導入など、かつてなく新機軸と見どころがいっぱいだ。主要海外メーカーがほとんど不参加となる逆風のなか、新たなモーターショーの姿を模索していくだけに、社会がどう反応するかも見どころとなる。

46回目となる今回のテーマは「OPEN FUTURE」。主催者の日本自動車工業会は、「オープンなショー」によって「未来のモビリティや社会」を体験してもらいたいという狙いを込めたという。オープンは(1)出展者、(2)開催エリア、(3)新たなお客の誘因―という3つの視点で展開する。自工会モーターショー特別委員会の長田准委員長(トヨタ自動車国内販売事業本部副本部長)は「今年は多くのチャレンジを実施し、来場する全ての方に更に楽しんでもらえるショーにする」と意気込んでいる。

3つのオープンのうち、出展者については自工会会員企業などの自動車産業にとどまらず、エレクトロニクスや通信、住宅など業界の垣根を超えて幅広い産業の参画を実現している。このため、主催者イベントについては自工会および、オリンピック・パラリンピック等経済協議会、経済産業省、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の3機関と共催する形とした。また、東京オートサロンやモータースポーツジャパンなどの団体との連携も図っている。

◆自動車産業の枠を超えた「FUTURE EXPO」などを無料公開

これにより、今回は海外の自動車メーカーの参加が減少したにも拘わらず、出展数は187社・団体(9月末現在)と、2017年の前回ショーの153社・団体を大きく上回っている。自動車メーカーの出展が減っているのは、日米欧のモーターショーの共通した悩みとなっているが、東京モーターショーはいち早く、自動車の枠にこだわらないアプローチに転換していく。

2番目の開催エリアのオープンは、東京ビッグサイトの一部が2020年東京オリンピック・パラリンピックのために、使用できなくなっていることから会場を広域化したものだ。東京都江東区の有明エリアと青海エリアを主会場とし、さらに両エリアを結ぶ遊歩道公園を「OPEN ROAD」(全長1.5km)と名付け、未来型のモビリティの展示や試乗などにも活用する。自動車メーカーの展示は有明エリア(ビッグサイトの西・南展示棟)と青海エリア(同青海展示棟)に分かれるため、両エリアは無料のシャトルバスで結ぶ。

また、青海エリアではトヨタの展示施設である「MEGA WEB」の全スペースを会場に、「FUTURE EXPO」と呼ぶ今回の目玉イベントを開催する。来場者はここに入国したうえで、次世代モビリティや空飛ぶクルマなど未来の移動手段、電気自動車(EV)と生活が融合した未来都市、さらに水素による未来エネルギーの姿―などを体験する。この催しこそがオープンな出展を象徴するもので、エレクトロニクス企業などが全部で90を超えるコンテンツを用意する。

◆世界初公開のEV競演にも注目

3番目のオープンは、モーターショーへの新たなお客誘因を図るもので、チケットが不要なイベントやコーナーを多数用意する。前述の「FUTURE EXPO」や「OPEN ROAD」、さらに試乗などができる「DRIVE PARK」(有明エリア)は無料で楽しんでもらう。さらに、前回までは有料(600円)だった高校生のモーターショー入場も無料とし、高校生以下は全てチケット不要とする。未来の自動車やバイクのファンづくりという中長期の視点をもって東京モーターショーを運営する構えだ。

一方、ショーの中核を成す自動車メーカーの展示では、EVを中心とする電動化と自動運転技術という目下の技術開発テーマが見どころとなる。とりわけ電動化ではマツダが同社初のEVを、日産自動車は軽自動車のEV『IMk』を、いずれもワールドプレミアとして公開する。また、ホンダは20年に日本市場に投入するEVの『Honda e』を日本で初公開することにしており、EVの競演が来場者の注目を集めよう。一般公開は25日14時からで、会期は11月4日まで。

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