2019年11月08日 06:05

重い金属の塊から削り出した、三菱 エンゲルベルクツアラー…[デザイナーインタビュー]

ジュネーブモーターショー2019に出展され、市販も計画されている三菱のSUV、『エンゲルベルクツアラー(以下エンゲルべルク)』が東京モーターショー2019でもお披露目された。そのエクステリアとインテリアデザインについて担当デザイナーに話を聞いた。

◆無垢で重いですが何か?

エンゲルベルクは3列6人乗りのパッケージングで、プラグインハイブリッドモデルを想定している。そのネーミングは、「雪山やスノーリゾートに友達や家族と一緒にストレスなく行けることをコンセプトに、スイスの高級スキーリゾート地から取った」とは、三菱デザイン本部先行デザイン部東京デザイン部長の松岡亮介さんの弁。

「当然そのネーミングに見合った車格や、顔立ちにしている。ただ一歩間違うと、怖い、オラオラ系の顔になってしまうので、ソフィスティケーション、洗練された感じも少し入れつつ、スポーティで迫力があり、また賢いフロントフェイスを狙っている」という。

サイドのキャラクターラインの意図について松岡さんは、「色にも関係するが、今回はわざと半艶のカラーを採用した。これは強い金属の塊にノミでザクっと削った潔い形、シャープな新しさを狙っている」と話す。

もう少し詳しく説明を求めると、「どちらかというと面の彫刻的な塊や無垢のようなものをイメージ。単に板金で板を曲げたのではなく、元々無垢のどしっと重いものを、人の手でザクッと削ったような感じです。つまり、立体の構成は板を曲げた軽いものではなく、無垢で重いですが何か?(笑)というものなので、元々重く感じると思う。この色も含めてよりそれを強調しているのがコンセプトだ」と語ってくれた。

その他に松岡さんは、「Cピラーのグラフィックも非常に特徴的」だという。「普通のクルマでは斜めに角度をつけるなどでダイナミックさを表現するが、あえて三菱としてサイドウィンドウ側は真っ直ぐにした。これによりクルマが止まって見えるといわれるが、基本的にすべてを水平基調にしている中で、1回キックアップさせてのワンアクセント。 “ジェットテールフィン”と呼んでいる」とし、「三菱が航空機メーカーから来たという、ルーツを感じさせるようなところ」とコメント。

Cピラーの下側でザクっと削いでいるところは「空気抵抗にも寄与しており、当然それは狙っている。機能として見せるところと同時に、Cピラーの力強い垂直の柱がドンとあり、面もすごく広くなっているので、三菱の力強さやタフさを表現できればという意図だ」と述べる。

そのほか三菱のイメージとして、「リア周りに六角形のモチーフを入れており、これは『マイテックコンセプト』と近い処理をしている。ここも我々がいまこだわっているモチーフだ。六角形という形自体の意図というよりも、彫刻的な印象を与えることで、特徴的な三菱ならではの、こういうのって三菱だよねとリアコンビランプも含めて何となく感じてもらえるのが狙いだ」とした。

◆機能美を目指したインテリア

インテリアについて、同デザイン本部デザイン戦略・企画部長の矢野和雄さんは、「シンプルだが強いものを目指し、インパネは水平基調で骨がドンと通っている構造体と、センターコンソールは高く幅が広くこれも構造体として強く見せている。しかし、前方が駆け上がっておらず、フローティングさせることで空間的な力強さを表した。欧州車くらいの質感は狙っている」と話す。

このように、「三菱らしい構造としての強さとともに、水平基調を取り入れたのは車体姿勢が変わる時に水平の方が気づくのが早いからだ。そういう機能的な意味も含めて三菱らしいインパネということでいま進めている形を取り入れている」と述べる。

矢野さんはこのインテリアの目指したものを一言でいうと、「“Functional Beauty、機能美”」と表現。その上で「日本のクラフトマンシップとして、ピュア、クリア、クリーンを狙っている」とコメント。また松岡さんも、「構造体、ストラクチュアルともいっている」とのことだった。

矢野さんは、「クリーンで清潔といういのはよくあるのだが、そこに三菱としてストラクチュアル、構造体として強さというものを持たせることで、他と同じクリーンでも違うものをデザインしている」とした。

またインテリアでは、「“三菱タッチ”と呼ぼうとしているが、ステアリングのグリップの太さは他社よりも太くなっており、ダイヤルも指が最もフィットする断面というものを作っている。握り応えや操作のし応えという点でも、細かいところにまでこだわった。ドアハンドルのインナー側で指が触れるところのパターンなど触るところは全部細かいところまで作り上げている」とこだわりを語った。

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