2019年11月14日 14:00

三菱のDNAである「ジープ」を現代に蘇らせた マイテック…[デザイナーインタビュー]

東京モーターショー2019三菱ブースにはきれいなブルーに塗られたコンセプトカー、『マイテックコンセプト』が展示されていた。このモデルにはドアもなく、まさに『ジープ』を連想させるようなデザインだ。そこでエクステリアとインテリアデザイナーに話を聞いてみた。

◆三菱のDNAが裏コンセプト

「ぱっと見てドアレスが強く印象としてあると思うが、それを含めてワクワクするクルマを目指してデザインしている」とは三菱デザイン本部先行デザイン部東京デザイン部長、松岡亮介さんの弁。「風を感じられるという意味からもドアを外した。ただし安全には考慮してシートベルトはきちんと4点式を採用している」という。

また、「きびきびアクティブに走るだけではなく、しっかりと乗員を守る、安心感を与えるために、フロントやサイドなどのプロテクターのデザインなどにより、守れられ感のあるデザインは意識した」述べる。

松岡さんは、「ドアがないクルマは昔、実は三菱にもあった(ジープを指す)。三菱のデザイナーが、オフローダーできびきび走るというテーマのもとにスケッチを描き始めると、どこかにこのクルマがマインドセットとして少しは入っていたはず。それが発端になって裏コンセプトに繋がっている」と明かす。そして、「いまの技術を使ってどういった形で成立出来るかがチャレンジだった。三菱らしいね、ということがそこはかとなく感じてもらえると嬉しい」とコメントした。

◆インテリアの存在は消したい

一方インテリアは丸見えだ。三菱デザイン本部デザイン戦略・企画部長の矢野和雄さんは、「丸見えなのでインテリアをデザインするところは減っている」と笑う。インテリアもエクステリア同様、「風を感じるという発想をすると、インテリアはなるべく存在を消したかった。そこでインパネもエクステリアから回り込んでエクステリアの一部のような処理にしている」という。

ドアも当然なくスカッと抜けているが、「完全に開放だと安心感も何もない。そこでインテリアの存在は感じないが、しっかりと守られているところは見せたいので、インパネもフレームも構造体としてデザインした。真ん中のコンソールを通すことで構造としてガッシリとした安心感、守られ感を出そうとしている」と説明。しかし、前述の通り存在はなるべく消したかったので、「必要最低限のパーツで構成している」とした。

◆空と一体になる大気のブルー

さて、ショーカーの中でもひときわ目立つブルーだが、矢野さんは、「開放感や空気、光を感じられるように、ソリッドではあるが結構粒子などには細工をしており、水色なのだが光が当たると反射して透明感が増したりする」と説明。

この狙いは、「景色の良いところを走っている時にボンネットフードなどが空と一体に溶け込んで見えるくらい、まるでだまし絵のような透明感のある大気の青を作りたかった」とこだわりを話す。「海岸線を走っていても同じような条件になるかもしれないが、最近よくある高い山のオープンテラスなどで、外側が空の色と合わせてあって、どこが境目かがわからないようなイメージ、周りと一体感が得られるようなペイント処理ができないかが狙いだ」という。

従ってインテリアも、「メーターフードなど大きいものをつけずに、フロントウインドウにHIDとして投影しているのはその一端。無駄なものは全部省いて本当にオープンで(インテリアの)存在を感じずに、そういう気持ちで走っているくらいのことをしたかった」と思いを語る

◆ダイナミックシールドの新たな意味

当然のことながら、マイテックコンセプトにもダイナミックシールドが取り入れられているが、その見え方にはこだわりがあるという。「これまでダイナミックシールドの中のグリルのところは大体黒く、暗くしていたが、今回はEVの訴求ポイントとして、少し明るめのアルミを少し曲げることでテクノロジーを感じるフィーリングにトライしている。そうしたところから新しい表情に見えるだろう」と松岡さん。

また矢野さんも、「ダイナミックシールドの進化、戦略はかなり前から立てている。元々プロテクトとハイパフォーマンスの意味合い。ハイパフォーマンスというのは内燃機関であれば大きく空気を吸うという吸気の意味が大きかった。しかし、これから先は自動運転などの技術が発達していくので、レーダーやカメラ、センサーを入れていかなければいけない。そういった最先端の技術をハイパフォーマンスとして表現すべく、“穴”ではないものに生かせないかを考えている」と述べ、「単に黒くて穴を連想するものじゃないところにトライし、電気自動車で穴が必要なくなった時でも通用出来るように考えている」とコメントした。

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