2020年01月14日 14:00

東京オートサロンのメーカー系ブースはトヨタ軍団の圧勝

毎年1月上旬に開催される、カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン」。令和初のイベントとなる今回(開催期間:2020年1月10日〜12日)は、どんなクルマが見られたのか? 自動車メーカー系ブースの様子を総括する。

台数は減ってもメーカーは増加

若年層を中心とする「クルマ離れ」が語られるようになってから、すでに20年近くたつだろうか? そうした情勢のなかでも勢いが衰えないどころか、逆に拡大してきた唯一といえるクルマ関連イベントが東京オートサロンである。その開催規模は毎回のように“過去最大級”とうたわれてきたが、単純に出展台数からすると、今回は微妙だった。史上初の900台超え(906台)を果たした前回に対して約800台と、一気に100台前後も減っているのだ。となれば会場は寂しくなってしまったのか? と思われるかもしれないが、実際に会場をまわったところでは、そうした印象は皆無だった。相変わらず出展車両は1日ではすべて見られないほどほど多く、初日から場内の人口密度は高く(実際に初日の来場者数は前回より微増)、熱気ムンムンなのである。

今や東京モーターショーより気合が入っているところも? という感じの自動車メーカー/インポーターの出展。日本車メーカーはトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、ダイハツ、スズキ、三菱の8社で、前回まで3回続けて出展していた日野が抜けた。輸入車メーカー/インポーターは、メルセデス・ベンツ、ルノー、ロータス、そして前回から続いての参加となるアストンマーティンに加えてマクラーレンとゼネラルモーターズ、ボルボが初出展。合わせて15社と前回より2社増えた。

日本車メーカーから順に見ていくと、まずはトヨタ。TOYOTA GAZOO Racingとしての出展は3回目となる今回のハイライトは、あらかじめオートサロンでのデビューが告知されていた「GRヤリス」。前々回の「GRスーパースポーツコンセプト」、前回の新型「スープラ」に続いて、3回連続でショー全体の主役の座をさらった感があった。メインステージ上にはそのGRヤリスに加えて、それの生みの親(?)である「ヤリスWRC」、そしてそれらのルーツにあたる往年の「セリカGT-FOUR」(ST165)のノーマル車とWRC参戦車という計4台が並べられた。ほかには今季のSUPER GT参戦マシンである「GRスープラGT500」をはじめとする各種「スープラ」、2019年ルマン24時間優勝車である「TS050ハイブリッド」などから、レストアされた「AE86カローラ レビン/スプリンター トレノ」までがズラリ。ブースが近接する系列カスタム/チューニングブランドであるモデリスタ、TRDおよびトムスの市販車ベースのカスタマイズモデルまで含めると、ここオートサロンでもトヨタは、全方位死角なしの圧勝という印象だった。

個性派の市販車とレーシングカーの競演

メインステージに、昨2019年に生誕50周年を迎えた「フェアレディZ」と「(スカイライン)GT-R」の「50th Anniversary」を展示した日産。既視感のあるモデルを主役に据えざるを得ないところに苦しい現状が見て取れるが、“平地”には初お目見えとなる、2台の「スカイライン」のコンセプトモデルがあった。レーシングライクな「400Rスプリントコンセプト」とラグジュアリーな「デラックス アドバンスド コンセプト」だが、グレード名称としては絶滅危惧種である“デラックス”を冠した後者のエンブレム(ペイントによるレタリング)は、初代「スカイライン デラックス」のそれをモダナイズしたものだった。また、GT-Rとイタルデザインの50周年を記念した、限定50台のコラボレーションモデル「GT-R50 by Italdesign」も展示されていた。

東京モーターショーと同様、四輪と二輪の混成となるホンダのブースでは、「シビック」や「S660」のマイナーチェンジ版の発表に加えて、今夏発売予定の「シビック タイプR」の改良版をアンベール。2019年、ホンダのパワーユニットに13年ぶりの優勝をもたらしたレッドブルとトロロッソのF1マシン、2020年のSUPER GT(GT500クラス)の参戦車両である、FR化された「NSX-GT」、ロードレース/モトクロス/トライアルそれぞれの世界最高峰を制した二輪などホンダ・レーシングのコンペティションマシンも勢ぞろいしていた。

大半の展示車両のボディーカラーを「ポリメタルグレーメタリック」でそろえたマツダ。ステージ上には、そのポリメタルグレーメタリックとソウルレッドクリスタルメタリックの2台の日本初公開となる「CX-30シグネチャースタイル」を展示。これらを含め、ブースは内外装のライトなカスタムを施した市販車が主体で、新味は乏しかった。

スバルとそのパフォーマンスブランドであるSTIの主役は、ステージでアンベールされた「レヴォーグ プロトタイプSTI Sport」。ほかには「BRZ」と「WRX S4」のカスタムコンセプト、ニュルブルクリンク24時間の「WRX STI」、SUPER GTの「BRZ」、全日本ラリーの「WRX STI」といった昨季のモータースポーツ参戦車両を展示していた。

軽の活気も印象的

ダイハツはかつてクロカン4WDの名称だった「タフト」の名を冠した軽クロスオーバー「タフト コンセプト」を初公開。そのほか山遊びの雑誌『PEAKS』とのコラボレーションや、DJブースを備えた「ハイゼットトラック」など、クルマを使って遊びの幅を広げるモデルを並べ、楽しげな雰囲気を演出。走りを追求した世界とは異なる独自性を打ち出していた。

そのライバルのスズキも、フルモデルチェンジした「ハスラー」や「ジムニーシエラ」の、ストリートおよびアウトドアでの遊びのパートナーとなりうるカスタムモデルを展示。また2019年におよそ19年ぶりに復活したスポーツバイク「カタナ」のイメージを内外装に投影したコンセプトモデル「スイフトスポーツ カタナエディション」を、本元のカタナと並べて来場者の目を引いていた。

三菱は軽スーパーハイトワゴンの「eKスペース」と「eKクロス スペース」を初公開。ほかには「デリカD:5」「アウトランダーPHEV」「エクリプス クロス」など、毎度おなじみの既存モデルのカスタム仕様を展示していた。

輸入車メーカー/インポーターでは、日本車メーカーに勝るとも劣らない大きなブースに多くのモデルを並べるメルセデス・ベンツ。展示の中心はスポーティーなAMGブランドで、2020年のスーパーGT(GT300)に参戦する新仕様の「メルセデスAMG GT3」もお披露目された。また、前回まで同ブースに展示されていた「スマート」は、EVブランドへの移行中ということからか、その姿はなかった。

ルノーはニュルブルクリンクで量産FF車最速記録を持つ「メガーヌR.S.トロフィーR」を発表。展示はこれ1台のみだった。ロータスは20台限定の日本専用モデル「エキシージ スポーツ350 GPエディション」やSUPER GT参戦マシンの「SGTエヴォーラ」などを展示。2回目の出展となるアストンマーティンは、ブランド初のSUVである「DBX」と「DBSスーパーレッジェーラ ヴォランテ」の2台を並べた。そのアストンマーティンに続くプレミアムブランドの初出展となるマクラーレンは、「マクラーレンGT」と「720S スパイダー」の2台を展示。同じく初となるボルボは、同社のパフォーマンスブランドであるポールスターが手がけた「S60T8ポールスターエンジニアード」と「XC60T8ポールスターエンジニアード」の2台を出展した。これまた初参加のゼネラルモーターズは、ミドシップとなった新型「シボレー・コルベット」を日本初公開。2020年モデルの「同カマロ コンバーチブル」も展示された。新型コルベットは初となる右ハンドル車を設定して日本に導入予定というだけに、お披露目の場としてオートサロンを選んだのは、至極当然のことなのだろう。

(文=沼田 亨/写真=沼田 亨、webCG)

◆東京オートサロン2020の特集ページはこちら

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