MINI『クーパーSE』、モータースポーツデビュー…EVレーサー開発プロジェクトの一環
MINIは10月12日、MINI『ハッチバック』のEVのMINI『クーパーSE』(MINI Cooper SE)が10月9〜11日、ルーマニアで開催されたラリーに出走し、モータースポーツデビューを果たした、と発表した。
MINIは2017年、市販EVを示唆したコンセプトカーとして、MINI『エレクトリックコンセプト』を初公開した。同車は、MINIハッチバックベースのEVで、将来の市販EVを提案した1台だった。
その市販モデルが、MINIクーパーSEだ。MINIシリーズに使われる「クーパーS」に、EVを示す「E」を組み合わせたネーミングとなる。
◆モーターは最大出力184hp
電気モーターは、フロントのボンネット内に搭載される。パワーエレクトロニクスやトランスミッションと一体のコンパクト設計とした。最大出力は184hp、最大トルクは27.5kgmを引き出す。0〜60km/h加速は3.9秒、0〜100km/h加速は7.3秒の性能を発揮する。最高速はリミッターにより、150km/hに制限される。
高電圧バッテリーは、12個のモジュールを持つリチウムイオンだ。蓄電容量は32.6kWhで、車両の床下にT字型にレイアウトされる。1回の充電での航続は、最大で270kmを確保した。充電は、出力11kWのチャージャーを使って3時間半だ。出力50kWの急速充電ステーションなら、35分でバッテリーの80%の容量を充電できる。
◆加減速はワンペダルで
ドライブモードは、トグルバーの右側にあるスイッチで選択する。4種類のドライブモードを用意した。スポーツモードでは、ステアリング特性がよりダイレクトとなり、ドライブシステムのレスポンスが向上する。グリーン+モードでは、航続を延ばすために、ヒーター、エアコン、シートヒーターなど、快適機能が制限または無効になる。
加減速は、アクセルペダルのみのワンペダルで行える。ドライバーがアクセルから足を離すと、すぐに車両は減速する。電気モーターが発電機の機能を果たし、運動エネルギーを電力に変換し、この電力を高電圧バッテリーに蓄える。
◆EV専用の内外装
MINIクーパーSEのエクステリアは、フロントグリルやドアミラー、テールゲートなどに、EVであることを示す黄色いアクセントが施される。フロントグリルは、エンジン冷却性に配慮する必要がないEVのため、閉じたデザインとした。最新のLEDテクノロジーがヘッドランプなどに採用されている。
ステアリングホイールの向こう側には、専用のブラックパネルデザインの5.5インチカラースクリーンを標準装備した。このフルデジタルスクリーンの中央には、速度を数字で表示する。ドライブモードに応じて、スピードバンドが赤、白、緑のライトリングで表示される。
デジタルディスプレイには、バッテリーの充電レベル、ドライブモード、運転支援システムの状態などの情報が表示される。さらに、航続やEVシステム、外気温、交通標識認識、矢印によるナビゲーションなども表示される。
「MINI コネクテッド」サービスには、ナビゲーションシステムなどが含まれている。ナビゲーションマップには、充電レベルに応じた航続を表示することができる。ルート案内が開始されると、最短ルートが表示されるほか、電力消費を最小限に抑えるグリーンルートも提案される。
また、「eDrive」スクリーンには、現在のエネルギーの流れと航続に関する情報を表示する。さらに、快適機能を無効にしたり、回復力を高めたりするなど、航続を伸ばす方法を提示する。
◆ラリー仕様は市販モデルに対して約150kg軽量化
このMINIクーパーSEが10月9〜11日、ルーマニアで開催されたラリーに出走し、モータースポーツデビューを果たした。このラリーへの参加は、コンチネンタルのパワートレイン部門のヴィスコテクノロジーズとMINIの共同プロジェクト、「MINI エレクトリックレーシング」の一環だ。
このプロジェクトでは、MINIクーパーSEをベースにしたレーシングカーを開発することを目指している。MINIのダイナミックなパフォーマンスだけでなく、BMWグループの電動化技術の可能性も示すものになるという。電動化ソリューションを手がけるヴィスコテクノロジーズのプロジェクトへの参画は、MINI クーパーSEをレースに合わせて最適化するのが狙いだ。
ラリーに参戦するにあたって、MINIクーパーSEには、最小限の変更が施された。タイヤは、ミシュランの「パイロットスポーツ4」に変更。純正のシートや室内装飾は取り外され、競技用バケットシート&シートベルト、高性能ロールケージ、消火システムが取り付けられた。市販モデルに対して、約150kgの軽量化も実現している。
BMWグループのアレクサンドロ・セレメット氏は、「今回のラリーへの参加は、とても貴重な体験となった。電費や回生、熱管理についてだけでなく、プロジェクトの次のステップについても、多くのことを学んだ」と語っている。
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