2020年10月20日 06:20

メルセデスベンツの次世代EV、デジタル走行音発生システム搭載へ…複数の人工サウンドを開発中

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)は10月13日、現在開発を進めている「EQ」ブランドの次世代EVに、デジタル走行サウンド発生システムを搭載すると発表した。

◆新型SクラスのEVに相当するEQSから採用へ

「EQ」は、メルセデスベンツが立ち上げた電動車に特化したサブブランドだ。EQブランドの最初の市販車として登場したEVが、SUVの『EQC』となる。EQブランドの市販第2弾は、ミニバンの『Vクラス』ベースの『EQV』だ。

また、メルセデスベンツは、EQブランドの市販第3弾の『EQS』を開発している。EQSは、コンセプトカーの『ヴィジョンEQS』の市販バージョンとなる大型EVサルーンで、新型『Sクラス』のEVバージョンに位置付けられる。

さらに、メルセデスベンツは、『EQE』と『EQE SUV』も開発中だ。モデル名に「E」が冠されているように、EQEは『Eクラス』に相当するEV、EQE SUVは、『GLE』に相当するEVになる。メルセデスベンツは、新しい電動アーキテクチャーに基づく次世代EVのラインナップを、拡大していく。デジタル走行音発生システムは、EQSから採用される予定だ。

◆センターディスプレイのメニューで音の切り替えが可能に

EVのメルセデスベンツのEQモデルは、室内の静粛性に優れる。将来のメルセデスベンツEQモデルは、選択可能なサウンドスケープと直感的に理解できるフィードバックサウンドを備える。メルセデスベンツは、これを可能にするソフトウェアを自社開発している。

将来のEQモデルは、さまざまなサウンドスケープにより、個々の音響設定が可能になる。サウンドスケープは、ダッシュボード中央の「MBUX」ディスプレイのメニューによって選択し、オフにすることもできる。無線によるアップデートも想定している。

また、室内のスピーカーから、人工ドライビングサウンドを発することもできる。例えば、「SPORT」モード時には、人工サウンドがよりダイナミックになる。この技術は、「Burmester」サラウンドサウンドシステムのアンプからのサウンドをリアルタイムで計算し、スピーカーから音を出す。

◆充電プラグの接続が完了した時のサウンドも開発

ホリスティックサウンドのコンセプトには、ドライバーにフィードバックを与える音が含まれている。たとえば、車両のロックが解除された時、発進準備が整った時、車両から離れる時、などだ。充電プラグの接続が完了した時には、車外でも直感的に理解できるサウンドを発する。たとえば、充電の準備が成功したことを示す音響信号をドライバーに伝え、バッテリーの充電状態も示すことができる。

メルセデスベンツは、バンパーに音響車両警報システム「AVAS」のスピーカーを内蔵している。AVASは欧州では、2019年7月1日以降に型式認証を受けたEVに義務づけられている。欧州では、AVASは20km/hまで作動する必要がある。ゆっくり走行すると音が鳴り、歩行者にEVの接近を知らせる。

人工サウンドは、メルセデスベンツが自社開発している。開発チームは、物理学の専門家に加えて、サウンドデザイナー、メディアデザイナー、メカトロニクスのスペシャリストなどで構成される。彼らは、外部からの騒音や振動の影響を受けない音響実験室で、将来のメルセデスベンツEQモデルの感動的なサウンド作りに取り組んでいる。また、プロトタイプ車両に試乗して、リスニングテストを行っている。メルセデスベンツの120名以上の従業員がプロトタイプ車両に試乗し、エンジニアに助言を与えた。開発段階では、さまざまなサウンドのバリエーションやカスタマイズサウンドがテストされた。

人間の耳は、20Hzから20kHzの周波数の範囲で、音を聞くことができる。人工サウンドの開発では、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)のおよそ1GHzの計算能力を活用する。メルセデスベンツの 250名のエンジニアが、車内をより快適で静かにすることに従事しており、約10名のエンジニアとサウンドデザイナーは、音質のチューニングに取り組んでいる。

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