2022年05月13日 06:34

高音質を追求したいなら---単体DSPシステム[システム・メイク術]

カーオーディオでは、システム構築法をさまざま選べる。なのでユーザーは、予算や使い勝手、そして音質までを勘案しながら自分にとってのベストなやり方を選択している。当特集ではその選択肢の1つ1つについて、特長や楽しみ方のポイントを解説している。

◆「単体DSPシステム」は導入のハードルが高い。しかし…。

今回は、「単体DSPシステム」をテーマに据えてお贈りする。まずは「単体DSPシステム」の概要から説明していこう。

これはその名のとおり「単体DSP」を核として構築するシステムのことを指す。なお「DSP」とは「デジタル・シグナル・プロセッサー」の略称で、これは要は、車内の音響的な不利要因に対処するためのサウンドチューニング機能が搭載されたメカだ。車室内は狭いがゆえに周波数特性が乱れがちで、またリスニングポジションが左右のどちらかに片寄るのでステレオイメージの再現性が落ちがちだ。しかし「DSP」を用いれば、それらの補正が可能となるのだ。

で、これが搭載されたユニットは主に3タイプある。「ハイエンドメインユニット」「パワーアンプ内蔵DSP」「単体DSP」、この3つだ。

その中の「単体DSP」とは、「DSP」のみで成り立っているユニットだ。なのでこれを用いてシステムを組もうとする際には、スピーカー以外の機器(ソースユニットと外部パワーアンプ)も別途用意しなくてはならなくなる。かくして「単体DSPシステム」は、他の「DSP」搭載ユニットを用いて構築するシステムと比べて導入のハードルが高い。しかし…。

◆「単体DSPシステム」なら、外部パワーアンプ選びを満喫できる!

しかし、「単体DSP」を用いてシステムメイクする場合には、他では得られない利点を得られる。それは、「好みの外部パワーアンプを組み合わせられること」だ。「ハイエンドメインユニット」や「パワーアンプ内蔵DSP」にも優秀なパワーアンプが搭載されている場合が多いが、しかしコスト的にも筐体のサイズ的にも制約の中で作られているわけなので、優秀とは言いつつも性能はある程度はそれなりにならざるを得ない。

しかし外部パワーアンプは制約のない中で設計できる。ゆえにその気になればいくらでも高性能化を果たせる。結果、「ハイエンドメインユニット」や「パワーアンプ内蔵DSP」に積まれているパワーアンプより高性能なモデルもいろいろとある。国産ブランドからも海外ブランドからも、実にさまざまな外部パワーアンプがリリースされている。

というわけで「単体DSPシステム」を構築しようとするときには、多々ある市販外部パワーアンプの中から自分にぴったりな1台を見つけ出すという醍醐味も満喫できる。より深くカーオーディオを楽しめるのだ。

◆外部パワーアンプの使い方を思案するところも楽しみどころ!

そして「単体DSPシステム」では外部パワーアンプの使い方を細かく変えられるので、そのあたりを思案する楽しさも味わえる。例えば、ツイーターとミッドウーファーに同じパワーアンプを使いながらもミッドウーファーだけはブリッジ接続してよりパワーをかけて鳴らす、というような運用法も実践可能だ。

またフロント2ウェイスピーカーを2台の2chパワーアンプで鳴らす場合には、1台でツイーターをもう1台でミッドウーファーを鳴らしても良いし、1台で右chのスピーカーをもう1台で左chのスピーカーを鳴らしても良い。それぞれにメリットがあるので、それを勘案しながら自分なりの使い方を楽しみながら模索できる。

ところで、「単体DSP」を用いる場合にはシステムが高額化しがちだ。しかし昨今は、リーズナブルに仕上げられるようにもなってきた。手頃な「単体DSP」もいろいろと出ていて、外部パワーアンプにも低価格かつ高音質なモデルがさまざまある。特にD級パワーアンプにはコスパの高いモデルが多くあり、しかも超小型モデルもいくつかある。そういったモデルを選べば、インストールスペースも少なくてすむ。例えばシート下にてシステム構築を完了できることもある。このように、自在にシステムメイクする楽しさを比較的に低コストで実行するという選択肢も有り得ている。興味があればぜひお試しを。

今回は以上だ。次回は「単体DSP」の注目モデルを紹介していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター

大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

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