2022年05月24日 06:26

車内を“うるさい”と感じるドライバーが増えている

当連載では、カーオーディオ・ビギナーが抱きがちな“素朴な疑問”の答を解説している。今回からはカーオーディオシステムのことから少し離れて、走行中にドライバーと同乗者を悩ます“騒音”をテーマに据えてお贈りする。

◆“うるさい”と感じるようになったのは、「エンジン音が静かになったから」!?

ここ数年、「車内を静かにしたい」というニーズが高まっている。今回はその理由を明らかにしていこうと思う。

理由は主には2つある。1つ目の理由は「エンジンが静かになったから」だ。かつてのクルマと比べると、昨今のクルマはエンジン音やマフラー音がかなり小さい。そのことは、街中を歩いていても実感する。幹線道路沿いでは10年、20年前のような騒音を感じない。住宅街では、後方から迫り来る車両に気づきにくくもなっている。それほど今のクルマは静かだ。

特に近年、その傾向が加速している。電気自動車やハイブリッド車の比率が高まっているからだ。電気自動車では当然ながらエンジン音が一切しない。そしてハイブリッド車でもエンジン音がしない時間帯が結構あり、エンジンで走る際にもそのエンジン音もマフラー音もかなり静粛だ。

結果、その他の音が耳につくようになってきた。ひと昔前ならエンジン音にかき消されていた他のノイズが目立つようになったのだ。

ちなみに、その最たるものは「ロードノイズ」だ。

◆「ロードノイズ」は主に低音。ゆえに不快度も高い!?

「ロードノイズ」とは、タイヤパターンが路面に当たることで発生する騒音だ。なお「ロードノイズ」は主には低音で構成されていて、そのような騒音は圧迫感や不快感をより多く与えるとも言われている。つまり、騒音の中でも特にやっかいな存在になりがちだ。

ところでエンジン音は、これを心地良いと感じるドライバーも少なからずいる。クルマ好きにとってはエンジン音やマフラー音はドライビングプレジャーを感じさせてくれる要素の1つともなり得ている。しかし、「ロードノイズ」を心地良いサウンドだと思うドライバーはまずいない。

そして、車内を「うるさい」と感じるドライバーが増えているもう1つの理由は、「ボディの鉄板が薄くなりつつあるから」だ。

クルマに対して高い燃費性能が求められるようになって久しいが、燃費を稼ぐためには「軽量化」が必須だ。なので、車内のいろいろな部分で「軽量化」が進行している。

もちろん、走行性能や安全性能が優先されるのでボディ剛性や衝突安全性は下げられてはいないが、使用されている鉄板は強度が保たれながらもより軽い素材へと進化している。

◆鉄板が薄くなってきたことにより、雨音や風切り音が大きくなった!?

ゆえに、音が響きやすくなっている。例えば、雨が降ってきたときにそのことを顕著に感じる。以前と比べて、雨音が大きいと感じられることが多くなってきた。もちろんこの件に関してもエンジン音が静かになったことも影響しているが、雨音に関しては鉄板の厚みが変わったことがより大きく作用している。

また、鉄板が薄くなったことにより車外からのノイズが車内に侵入しやすくもなっている。高速道路を走るときなどは特に風切り音も目立つようになっていて、「ロードノイズ」もタイヤハウスやフロアを介して車内に伝わりやすくなっている。

さらにいうと、吸音材等の使用率が減らされている傾向も指摘されている。これも「軽量化」の一環という側面もあるが、これについてはむしろ「コストカット」の影響も大きい。クルマは厳しい価格競争にさらされている。なので、走行性能や安全性能に直結しにくい部分については製造コストを削減する流れがあり、特に大衆車ではそれがより徹底されていて天井やドア内部に入れられていた吸音材や防音材の使用率が削減されているとも言われている。

かくして現代のクルマは進化しているがゆえに、「車内騒音」が問題視されることが多くなってきた、というわけだ。

さて、それへの対処はどのようにすれば良いのだろか。それについては次回の記事にて詳しく解説する。お楽しみに。

太田祥三|ライター

大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

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