2022年05月27日 06:56

メインユニットの“電源強化”で音が変わる!?[音を良くする“ひと手間”]

今回からスタートする当特集では、カーオーディオシステムの音を良くすることに関心を抱くドライバー諸氏に向けて、システムの主要アイテムを変えることなく実践できる音質向上をもたらす“もうひと手間”を、多角的に解説していく。

◆実は、「メインユニット」には十分な電力が供給されていない!?

第1回目となる当回では、使用中の「メインユニット」に施す、音が良くなる“もうひと手間”を紹介していく。

まず取り上げるのは、「バッ直」だ。「バッ直」とは、プラス電源を車両のメインバッテリーから直接引き込むという配線方法のことを指す。

ちなみにAV一体型ナビをはじめとする市販の「メインユニット」は、車両側のハーネスと「メインユニット」側のハーネスとを変換ハーネスを介して接続することで主要な配線作業を終えられる。で、そのハーネスの束の中にプラス電源線も含まれている。なので電源配線だけを特別に引き回す必要はない。

しかしその電源配線だけを車両側のハーネスへと接続するのをやめて、メインバッテリーへと直接繋ぐと、音が良くなるのだ。

そうなる理由は以下のとおりだ。そのハーネスの束の中に含まれているプラス電源線は上流で、他の複数の電装品と電源線を共用している。

ゆえに、他の電装品が電気をたくさん使用する瞬間には、「メインユニット」に供給される電気が多少なりとも減ってしまう。また、「メインユニット」に内蔵されているパワーアンプが瞬間的に大きな電力を必要とする際に、必要となった電力が十分に供給されないことも有り得てくる。

◆特に、低音が大音量で鳴らされる瞬間に電力不足が起きがちに…。

ちなみに、外部パワーアンプを使う場合にはほとんどの場合で「バッ直」が行われる。外部パワーアンプは使用電力量がそもそも多いので、プラス電源線を他の電装品と共用するべきではないからだ。共用すると外部パワーアンプのポテンシャルを発揮しきれず、さらには他の電装品の動作にも悪影響がおよんでしまう。

しかしながら「メインユニット」に内蔵されているパワーアンプは外部パワーアンプと比べて非力なので、他の電装品とプラス電源線を共用してもとりあえずは普通に使える。でも実のところは、小さな電力不足は案外頻繁に起き得る。

というのも、音楽を再生する場合には必要な電力量が瞬間瞬間で変化する。例えば聴いている曲でドラムスのバスドラムが一定のタイミングで鳴らされている場合、特に大きな音量で聴いているときにはバスドラムが鳴る瞬間ごとに多くの電気が必要となる。低音を大音量で再生するときにはことさら多くの電力が必要となるからだ。

だがプラス電源線を他の電装品と共用していると、「メインユニット」が瞬間的に多くの電気を必要とするときに必要量を確実に得られるとは限らなくなる。他の電装品に多くの電力が供給されていれば、余力がなくなっているからだ。

◆瞬間的な電力不足には気が付きにくい。しかしいざ「バッ直」を実行してみると…。

とはいえ、瞬間的な電力不足が起きていても音楽再生が止まることはほぼない。電気が少なければ少ないなりに音を出せる。なので電力不足が起きていることに気づきにくい。

しかしいざ「バッ直」を施して電気が潤沢に供給されるようになると、音が変わる。低音が分厚くなり全体的にも音に芯が入る。1音1音の粒立ちも良くなり、情報量が増え解像度も良化する。

そして、「メインユニット」に施せる音が良くなる“もうひと手間”はもう1つある。それは「キャパシター」を使う、というものだ。「キャパシター」とは、瞬間的な電力不足を補うためのパーツだ。これを装着すると、「メインユニット」の内蔵パワーアンプが瞬間的に大きな電力を必要とする際にすかさず必要分を供給してくれるようになる。

なお、「バッ直」も「キャパシター」の取り付けも、その作業は「カーオーディオ・プロショップ」に任せたい。特に「バッ直」は作業が結構難しく、安全性に配慮する必要性も高い。経験と技術を持ったプロに任せた方が安心だ。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回以降も有効な“もうひと手間”を紹介していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター

大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

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