2022年07月22日 09:00

「低音強化」で中高音も良くなる!?[スピーカーの鳴らし方・大研究]

カーオーディオシステムの音を良くしたいと思ったときには、「スピーカー交換」が吉と出る。しかし、ただ換えただけでは性能を十二分に引き出し切れない。というわけで当特集では、交換したスピーカーのポテンシャルを一層引き出すためのテクニックを紹介している。

◆サブウーファーの追加で、フロントスピーカーの鳴り方が変わる!?

今回は、「サブウーファーの追加」という作戦をフィーチャーする。

ところでサブウーファーを追加しようと考えるとき、普通はその目的は当然ながら「低音強化」だ。しかし実をいうと、サブウーファーを導入するとフロントスピーカーの鳴り方も変わる。なので今回は、フロントスピーカーの性能を引き出す手立てとしての「低音強化」について解説していく。

とはいえまずは、カーオーディオではサブウーファーが使われることが多いその理由から解説しておきたい。理由は主には2つある。1つは「ドアスピーカー(ミッドウーファー)の低音再生能力には限界があるから」だ。スピーカーは振動板の口径が小さくなればなるほど高音再生が得意になり、大きくなればなるほど低音再生が得意になる。で、ドアに取り付けられるスピーカーは大きくても17cmクラスなのだが、この大きさでは実はローエンドまでの再生は物理的に困難だ。なので超低音再生のスペシャリストであるサブウーファーが必要となるのだ。

そして2つ目の理由は、「ロードノイズが低音をマスキングするから」だ。ロードノイズとはタイヤが路面を蹴ることで発生するノイズだが、これは主に低周波で構成されている。それがミッドウーファーが再生する低音に覆い被さり低音を聴こえにくくする。しかしサブウーファーを使えば、その弊害への対処が可能となるのだ。

◆サブウーファーを導入することで、ミッドウーファーの負担が軽減!

かくしてサブウーファーを導入することで「低音強化」が成されるわけだが、低音を強化することで中高音にも良い影響が出る。そうであるポイントは3つある。

まず1つ目は、「ミッドウーファーの負担が減ること」だ。この効果を得るにはシステムに何らかプロセッサーが組み込まれている必要があるが、プロセッサーに搭載されているクロスオーバー機能を活用することでミッドウーファーとサブウーファーのそれぞれに再生帯域を割り振れる。結果、ミッドウーファーの担当範囲を狭められる。このことが音に効くのだ。

その理由は以下のとおりだ。先述したようにミッドウーファーは超低音の再生は得意ではない。しかしサブウーファーが未導入のときには、ローエンドの信号も入力される。ゆえに濁った超低音を鳴らすこととなる。そして苦手な仕事もこなさなければならない分負担が増え、そのことが中音再生のクオリティにも悪影響をおよぼす。

しかしクロスオーバー機能にて入力される超低音信号をカットできれば、濁った超低音が再生されなくなり、そして振動板がスムーズに動けるようになるので中音の質も上がるのだ。

◆「低音強化」により、ドア内部のビビリ音の発生も減少!?

ポイントの2つ目は、「ドア内部の不要共振が減ること」だ。クルマのドア内部の鉄板は、ミッドウーファーの裏側から放たれる音エネルギーにて共振することが多く、ビビリ音を発しがちだ。

なお、鉄板を共振させるのは主に低音成分だ。なのでサブウーファーを導入してミッドウーファーの担当帯域を狭めると、鉄板を共振させる元凶となる低音の量が減る。ゆえに、ビビリ音が減少しサウンドのクリア度が上昇するのだ。

さらにもう1つのポイントは、「“倍音”の響きが良化すること」だ。音は、“基音”と“倍音”とでできている。で、“基音”とは音程を決める成分で“倍音”とは音色を決める成分だ。そして“倍音”はその名のとおり、“基音”に対して整数倍の周波数となっている。例えばギターのチューニングで使う「ラ」の音の“基音”は440Hzだが、その音に対して2倍の880Hz、3倍の1320Hz、という具合に整数倍の周波数の“倍音”が幾重にも重なりその楽器ならではの音色を響かせる。

というわけで、サブウーファーを導入して低い音がしっかり鳴らされると“倍音”も豊かに響くようになり、フロントスピーカーが奏でるサウンドの質が上がるのだ。このように「低音強化」は、サウンド全体に好結果をもたらす。興味があれば、ぜひともトライを。

今回は以上だ。次回以降もスピーカーの性能を引き出すためのテクニックの解説を続行する。お楽しみに。

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