2022年08月01日 16:51

[カーオーディオ“なぜ?”]プロショップで音調整が必要となる理由

カーオーディオには、ビギナーに“分かりづらい”と感じさせるポイントが多々ある。当連載では、それら“分かりづらい”事柄の意味や理由を解説している。現在は、「カーオーディオ・プロショップ」が存在する理由と彼らのバリューについて説明している。

◆車室内は、音響的なコンディションがあまり良くない!?

今回は、「サウンドチューニング」について考えていく。良い音で音楽を楽しもうと思ったときには、「サウンドチューニング機能」を使いこなせるか否かも1つのポイントとなる。さて、それはなぜかというと…。

ちなみに、ホームオーディオでは「サウンドチューニング機能」はカーオーディオほどは使われていない。しかしカーオーディオではこれが多用される。で、その理由はズバリ、「車内の音響的なコンディションが良くないから」だ。

良くないポイントは3点ある。まず1つ目は、「スピーカーの取り付け条件が都度変わること」だ。ホームオーディオ用のスピーカーは、スピーカーユニットが箱に取り付けられた状態で製品化されている。なのでそのスピーカーの鳴り方(音質性能)は基本的に、誰が使っても変わらない。

対してカーオーディオでは、スピーカーユニットは裸の状態で売られている。つまり、その状態ではまだスピーカーとしては半完成品だ。クルマに取り付けることで初めてスピーカーとして完成する。しかし、どんな取り付け方がされるかはケースバイケースだ。ゆえに、取り付け方に合わせて鳴らし方を変える必要性が生じてくる。

◆「サウンドチューニング機能」が備わっていれば、「帯域分割のさせ方」を変えられる!

変更が必要となるポイントは、「帯域分割のさせ方」だ。例えば使用するスピーカーがセパレート2ウェイのとき、高音再生はツイーターに中低音再生はミッドウーファーに任せることになるわけだが、その役割分担のさせ方は取り付け条件に即して見直した方がスピーカーの性能を発揮させやすくなる。なので「サウンドチューニング機能」が力を示す。これがシステムに備わっていれば、取り付け状況に合ったベストな「帯域分割のさせ方」を模索できるのだ。

そして車室内の音響的なコンディションが良くないポイントの2つ目は、「反射の影響を受けやすいこと」だ。リスニングルームがある程度広いとスピーカーから放たれる直接音を多く聴けるので、部屋特有の響き方(音響特性)は問題になりにくい。しかし車室内は狭いので、その中で音が幾重にも反射する。なのでスピーカーから放たれる直接音を聴ける割合がホームオーディオと比べて低い。リスナーは反射音を多く聴くこととなる。

なお音は、ガラスやパネルにぶつかって反射すると特性が乱れることがある。特に、並行面の間で行ったり来たりを繰り返すときに特性が変化しがちだ。

しかしシステムに「サウンドチューニング機能」が備わっていれば、その特性の乱れを整えられる。

◆リスニングポジションが左右のどちらかに片寄ると、ステレオイメージの再現性が落ちる!?

次いで、車室内の音響的なコンディションが良くない3つ目のポイントを説明しよう。それは「リスニングポジションが左右のどちらかに片寄ること」だ。これがなぜに良くないのかは、以下のとおりだ。

ステレオ再生とは、音楽を左右のchに分けて録音しそれを左右のスピーカーで再生することで演奏を立体的に再現しようとするものだ。で、その仕組みを成り立たせるには、リスナーは左右のスピーカーから等距離の場所に身を置かなければならない。左右のスピーカーから放たれる音をバランス良く聴くためだ。しかしカーオーディオではその原則が成り立たない。

でも「サウンドチューニング機能」がシステムに備わっていれば、これへの対処も可能になる。「タイムアライメント」という機能があり、これを活用すると近くにあるスピーカーの発音タイミングを遅らせられる。結果、ドライバーがあたかもすべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出せる。

かくして、カーオーディオでは「サウンドチューニング機能」が活躍する。ただ、その操作は簡単ではない。なので、「サウンドチューニング」はプロに任せるべきなのだ。

今回は以上だ。次回の記事では「サウンドチューニング」が難しいその理由を解説していく。お楽しみに。

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