2019年10月22日 06:00

ブラックベリー、複雑化する車載音響システムを統合するソフトウェア「AMP3.0」を発表

ブラックベリーは10月8日、東京都内のホテルで記者会見を開き、同社の車載音響ソフトウェア「BlackBerry QNX AMP(Acoustic Management Platform)」の最新版『AMP 3.0』の提供を開始すると発表した。

ブラックベリーはもともとインフォテイメントやメータークラスター、音響システムなどの分野で強みを持つ。それはこの秋に発売されるスバルの新型アウトバックに採用される統合コックピット「Harmony Core」が、同社技術の下で共同開発されたことでも理解できる。その中で今回の発表は、どちらかといえば次世代を見据えた自動運転を含むADASやデジタルコックピット、OTA(Over The Air)を強く意識した内容となっていた。

この日の会見に登壇したのはブラックベリーのシニアバイスプレジデント兼共同代表のケイヴァン・カリミ氏。ここでカリミ氏は「自動運転時代を迎えて、自動車に搭載される音響システムは複雑化しコスト増になっている」と指摘した上で、「AMP3.0を採用することで一つのSoCで車内の統合的な音響体験を設計・管理できるようになり、自動車メーカーやティア1は大幅なコスト削減が可能になる」とAMP3.0を導入するメリットを強調した。

またカリミ氏は「AMP3.0によって一元管理することで予期せぬ相互干渉を回避することができる」とも話す。最新の自動車にはカーナビゲーションをはじめとする車載情報機器など複数の音響・音声信号処理システムが搭載されており、その中にはマイクやスピーカーが共有されているケースも少なくない。こうした場合、結果として不快なフィードバックやエコーを引き起こしやすいからだ。

そもそもAMP3.0はカーオーディオなど車載音響システムを統合的に管理するためのソフトウェア基盤としており、多彩な設計に対応できる、モジュール型の柔軟なシステムであることを特徴とする。そのため、AMP3.0を導入することで自動車メーカーは、必要に応じて製品ライン全体、またはオプションパッケージごとに必要な機能のみを有効化できるようになるわけだ。

AMP3.0ではチャイムや安全アラートを追加し、差し迫った脅威や車両の状況をドライバーに通知する機能を搭載する。その他、包括的なスピーカー管理パッケージも用意されており、OEM各社は基本のラジオ機能からハイエンドオーディオ仕様に至るまで、幅広いサービスをワンストップで導入できるという。

ただ、こうしたAMO3.0のメリットを理解できたとしても、実際にシステムを大きく変更するにはそれなりの決断が必要となる。カリミ氏は「自動車の音響システムは少人数体制で開発が行われることが多く、大きな変化を好まないのは確かだ。しかし、自動車は今、自動運転技術などに代表される大きな変革期に来ているのは確かで、車載音響システムの統合管理とて例外ではない」とAMP3.0の広がりに期待を寄せた。

今回発表されたAMP 3.0のモジュールは以下の5つの機能で構成される。

●高品質のハンズフリー通話とマルチゾーンの音声認識体験を実現する「QNX Acoustics for Voice (QAV)」

●最高品質の車内通信ソリューションを実現する「QNX ICC」

●自動車の内部外部騒音を低減してサウンドプロファイルを強化・調整する「QNX Active Sound Design (ASD)」

●包括的なスピーカー管理とハイレゾメディア再生ソリューションをもたらすQNX Software Audio Management (SAM)」

●車内の安全上重要なサウンドを対象に、チャイム生成と独自の可聴モニタリングを実現する包括的ソリューションとする「QNX Chimes and Safety Alerts (CSA)」

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