2021年10月07日 08:50

三密回避&女子高生アニメで「原付2種」が売れている? 125ccが人気の理由とは

◆前年比1.5倍!売れまくりの原付2種

コロナ禍において、密を避ける移動手段としてバイクの人気が高まっている。なかでも売れているのが、51cc〜125ccの「第二種原動機付自転車」、いわゆる原付2種だ。

自動車工業会によると、今年1〜6月の出荷台数は以下の通り。いずれの排気量帯も前年比増だが、原付2種は6万7772台で前年比147.78%と著しく出荷が増えている。

■出荷統計(二輪)排気量別 2021年1月-2021年6月

原付第一種(〜50cc):6万0717台(100.43%)

原付第二種(51〜125cc):6万7772台(147.78%)

軽二輪車(126〜250cc):3万0800台(100.52%)

小型二輪車(251cc〜):2万6018台(135.09%)

合計:18万5307台(118.62%)

※( )は前年同期比、日本自動車工業会調べ

◆手軽でメリットの多いクラス

クルマの免許に付帯するのは原付第一種、つまり50ccバイクの免許だ。原付2種に乗るには、改めて運転免許を取得しなければならない。それなのに、この人気の高さはどうしたことか。比較すると、法定最高速度はクルマや大型バイクらと同じ60km/h、二人乗りOK、二段階右折不要など優位点が浮き彫りになる。

●法定最高速度

原付1種=30km/h

原付2種=60km/h

●二人乗り

原付1種=不可

原付2種=可

●二段階右折

原付1種=原則二段階右折

原付2種=不要

●クルマの任意保険に加入の場合

原付1種=ファミリーバイク特約に加入OK

原付2種=ファミリーバイク特約に加入OK

●自賠責保険/12か月

原付1種=7070円

原付2種=7070円

※2021年10月1日現在

2018年7月に道路交通法施行規則の一部が改正され、免許も取得しやすくなった。AT小型限定普通二輪免許に係る1日の技能教習時間の上限等が見直され、普通自動車免許を保有している場合、オートマチックの125ccスクーター免許の教習終了まで最短2日間での終了が可能となっている。

◆アウトドアブームやアニメも追い風

昨年6月に登場したホンダ『CT125 ハンターカブ』(税込み44万円)は、販売計画8000台が発売前の予約段階で達するほどの人気で、いまなお品薄が続く。

同車は、北米や豪州で狩猟、釣りなどのアウトドアレジャー用、あるいは農園管理業務として支持され、1980年から2012年の長きにわたって生産された『CT110』をモチーフによみがえった。

スーパーカブからレッグシールドを取り外し、マフラーをアップタイプ、タイヤをブロックパターンにするなどオフロード走行も想定している。遊びゴゴロのあるタフなルックスで、街乗りからアウトドアまで用途を選ばない。

折からのキャンプブームに加えて、ソーシャルディスタンスを保てるアウトドア遊びに注目が集まり、『CT125 ハンターカブ』は時代にドンピシャだったというわけだ。

そして人気は『CT125 ハンターカブ』だけじゃない。山梨県北杜市の高校に通う女子高生・小熊が主役のアニメ「スーパーカブ」などの影響もあって、『スーパーカブC125/110』や『クロスカブ110』らカブ系すべてに人気が及んでいる。

蕎麦屋の出前に最適と、ホンダ創業者の本田宗一郎氏のもと「誰でも扱えるバイク」を目指し開発された配達向けのスーパーカブだったが、今やかわいくてオシャレな乗り物に。もともと根強いファンを多く持つが、ここにきて女性ユーザーも目立ってきた。

◆ヤマハは充実のラインナップ

ヤマハは『アクシスZ』と『シグナスX』に加え、『NMAX』そしてスリーホイーラーの『トリシティ125』まで、125ccスクーターのラインナップを充実させている。

車両重量100kgの扱いやすい軽量ボディ『アクシスZ』は、走りの楽しさと燃費・環境性能の両立を高次元で具現化する“BLUE CORE(ブルーコア)”エンジンを採用し、同社125ccスクータートップの低燃費54.6km/リットルを実現。フットワークが軽快で、より経済的。車体価格も税込み24万7500円と抑え、手を出しやすい。

2眼6灯LEDヘッドランプのフロントマスクが精悍な『NMAX』は、ワンランク上の上質感がある。滑りやすい路面でも後輪のスリップを抑止し、安定した走りを実現するトラクションコントロールシステムも搭載するほか、アイドリングストップシステムやスマートフォンアプリ「Y-Connect」との連携など先進性に富んでいる。

二輪は不安と感じる人に最適なのが『トリシティ125』。安定した3輪車でありながら、車体をバイクのように傾けて曲がるLMW(リーニング・マルチ・ホイール)技術を採用し、操る楽しさも詰め込んだ。ヤマハは強力な布陣で、市場を活性化させている。

◆原2でも「HY戦争」ふたたび?

かつてホンダとヤマハは、2輪車市場の主導権を激しく争い「HY戦争」と呼ばれたが、ココでも再び対立している。スズキにも『アドレス110』があり、原2人気はしばらく続きそうだ。

また、一過性のバイク人気に終わらせないため、二輪メーカー各社はこれからが正念場となる。手軽に入門しやすい原2クラスで、せっかく二輪車に興味を持ってくれたユーザーたちをいかに定着させるか、バイクライフの素晴らしさをもっともっと伝えなければならない。

将来、「あの原2人気があったから良かった」と言われるように。

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