2019年05月07日 10:45

【ホンダ ベンリイCB50 試乗】バイク操作覚えた“クラッチ付き原付”の懐かしさに涙…青木タカオ

気がつけば、新車ではもう買うことができなくなってしまっているクラッチ付きの原付1種=50ccバイク。70年代ならCB、RD、ハスラー、80年代ならRZ、RGガンマ、MBX、AR、オフ車だってDT、TS、CRM、KS-1、いくらでもあった。

400ccまで乗ることができる“中免”(中型限定自動2輪免許)をとるまえに、まずは原付免許というティーンエイジャーは少なくなく、硬派なバイク好きならスクーターではなく、マニュアルのバイクでクラッチ操作を覚えたものだ。

そんな青春時代を思い出さずにはいられない! ホンダ『ベンリイCB50』(1971年式)で、いま走っている。ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)内にあるホンダコレクションホールでは展示車両が動態保存されていて、幸運にも筆者はベンリイCB50に乗ることができたのだ。

◆入門機として重要なクラスだった50cc

スゴイところは何もない。ただし、どういうわけか感動は大きい。軽快に走って、オートバイを操る愉しさの原点みたいなものを思い出させてくれるのだ。

ニーグリップをしっかりして、視線は行きたい方向へ。コーナーの手前で減速して、出口で加速。トランスミッションは5速で、トルクバンドが狭いから外さないように上手く乗ろう。

あぁ、バイクの運転を覚えた頃が懐かしい。自転車のようにペダルを漕がなくても、前へ進むオートバイに心躍らせた。大きく感じた50ccのバイクは、今ではこんなにも小さい。

完調に整備されたベンリイCB50を走らせると、なかなかにしてスポーティだ。当時、新設計されたダイヤモンド型パイプフレームには、コンパクトな4サイクルSOHC直立エンジンが搭載され、スポーツ走行に不可欠なタコメーターも備わる本格派であることがわかる。スポーツライクなイメージを強調したメガホンタイプマフラーはクラス初であったし、ヘルメットホルダーは『CB500』に次ぐ採用だった。

始動はもちろんキックスタートオンリーだが、感心するのはギヤが入っていてもエンジンがかけられるプライマリーキック機構がこの時点で用いられていること。これ以前は、ミッションをニュートラルに入れないとキックでエンジンをかけることができなかったから、ベンリイCB50は小排気量ながらかなり先進的といえる。カムシャフトホルダーもCB750と同じ分離型で、整備性がいい。さすがはホンダ、さすがはCBの末弟だ。

“CB”といえば、ホンダコレクションホールでは現在「DREAM CB750FOUR 誕生50年 特別展示」を開催中で、歴代のCBがずらり勢揃いしている。CBの名を初めて冠した『CB92スーパースポーツ』(1959年)をはじめ、ナナハンブームを巻き起こした『DREAM CB750FOUR』(1969年)や『CB750F』(1979年)などを目の当たりにできる。

◆原付自転車のルーツ、カブ F型も!!

50ccが気になって仕方がないので、CBたちを横目に展示を眺めていくと、お目当てがあった! 50cc=原動機付き自転車のルーツである『カブ F型』だ。1952年に発売され、「白いタンクに赤いエンジン」で親しまれた自転車用補助エンジン。全国の自転車店を新規販売網とし、段ボール箱に詰めて発送された。斬新な拡販戦略がとられ、本田宗一郎率いるホンダが全国区へ上りつめていったのだ。

もしこの大型連休中、どこへ行こうかと迷っていたら、ホンダコレクションホールはどうだろうか。『DREAM CB750FOUR』など名車を間近に見に行くのももちろん感激ものだが、懐かしの50ccスポーツ『ベンリイCB50』や、昭和の高度成長を支えた『カブ F型』に会いに行くのも筆者は面白いと思う。

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説し、休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持されている。現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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