2020年05月20日 06:15

【カワサキ Z H2 試乗】スーパーチャージャー&200馬力!「究極のゼット」は伊達じゃない

1972年の初代誕生以来、カワサキの屋台骨とも言えるほどの人気シリーズとなっている「Z」。最新版もまた強烈な個性を誇って、バイク乗りたちの間で大きな話題となっている。

2018年に発売した『Z900RS』が飛ぶ鳥を落とす勢いで売れていることは再三にわたって伝えてきたが、今度は初代のイメージを踏襲した “RS” ではない。低く身構えた凄みのある先進的デザインで、70〜80年代のイメージなどお構いなしのモビルスーツかモビルアーマーのようなSFスタイル。なんとスーパーチャージャー付き、最高出力200馬力を発揮する『Z H2』だ!!

◆カワサキの技術を結集させた究極のゼット!!

猛獣のように睨みを効かせたフロントマスクには、川崎重工の総合力で造り上げたことを意味する「リバーマーク」があしらわれた。というのも、スーパーチャージドエンジンは同社のガスタービンやガスエンジン、航空機など様々な部門の技術が結集されたもの。1秒間に約200リットルの空気を2.4気圧以上に昇圧し、過給機入口流速は100m/秒に達する。

なお、タービンを回してシリンダー内へ強制的に空気を供給する過給器付きエンジンは、排気ガスの圧力を用いて過給するものを「ターボチャージャー」、エンジンクランク軸の出力で過給器を駆動する機械式を「スーパーチャージャー」と区別して呼ぶ。

たとえ低回転でも、エンジンが回っている限り過給するスーパーチャージャー。市街地を流す常用回転でも、過給の恩恵を味わえトルクたっぷりだから痛快としか言いようがない。過給圧を生み出す風車「インペラ」のヒュイーンという音は、アクセルを戻すとよく聞こえる。

水冷 DOHC 4バルブ並列4気筒998 ccエンジンは強力ながら暴力的ではなく、パワーバンドが広く扱いやすいことに舌を巻く。跨がると、見た目からは想像ができないほどコンパクトでフィット感があり、シート高830mm で足つき性も悪くない。車体重量は240kg、取り回しはビッグバイクとしては標準的だろう。

◆意外にも!? 街乗りも楽しいストリートバイク

専用設計のトレリスフレームは、ハイパワーを受け止める高い剛性を持ちながら、コーナリング性や軽快感を高める柔軟性も持ち合わせ、身のこなしの軽いシャシーとしている。前後17インチの足まわりは、路面追従性の高いSHOWA 製フルアジャスタブルサスペンションを前後に持ち、フロントブレーキには秀逸なタッチと制動力を発揮するブレンボ製モノブロックキャリパーが備わった。

軽快で狙ったラインを外さないニュートラルなハンドリングは、200馬力のモンスターバイクとは思えぬほど従順でコントローラブル。Zらしく、自在に扱えるストリートバイクとなっていて、電子制御も前後左右、上下3方向の加速度とロールとピッチを計測するIMU によるKCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)や「KIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム)」、KLCM(カワサキローンチコントロールモード)など多岐にわたり、ライディングモードは「スポーツ」「ロード」「レイン」「ユーザー」と4つ設定できる。

◆スーパーチャージャーを効かせるのが楽しくてつい…

インストゥルメントパネルはフルデジタルTFTカラー液晶で、専用アプリ「RIDEOLOGY THE APP」を使えば、スマートフォンとの相互通信も可能。走行日時やルート、距離・時間を保存でき、瞬間・平均速度や燃費も計測され、ライディング状況を視覚的に表示可能のほか、アプリでバイクの各種電子制御システム設定を確認・変更することができるのは興味深い。

また、前傾姿勢のきつくない、ゆったりとしたライディングポジションで、丸1日乗っても疲れが少なかったことも報告しておこう。そして、サーキットではなく、ストリートで楽しいのが「カワサキZ」らしさ。アクセルを開け閉めして、その強烈なダッシュを堪能するだけで飽きないが、スーパーチャージャーを効かせるのが楽しくてついつい右手のグリップ操作は大胆になりがち。そこだけが注意点だ。

2020年4月にカワサキプラザにて車体価格189万2000円(税込み)で発売。車体色はメタリックスパークブラック×メタリックグラファイトグレーの1色のみを設定する。

■5つ星評価

パワーソース:★★★★★

フットワーク:★★★★

コンフォート:★★★★

足着き:★★★★

オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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