トライアンフ ニュース

2020年08月27日 06:10

トライアンフが『トライデント』を復活、プロトタイプを発表---ミドルクラスの新しいトレンドになるか

トライアンフは歴史的に重要なモデル「トライデント」の名を復活させることを発表。その試作車を『トライデント・デザイン・プロトタイプ』とし、ロンドンのモダンアート博物館デザインミュージアムにおいて披露した。

プロトタイプとはいえ、日本国内には2021年春に導入されることが決まっている。ということは、おそらくこのスタイリングが限りなく完成形に近いはずで、現段階で知り得る限りの情報をお届けしよう。

あらゆるコンポーネントが無塗装のモックアップに見える中、唯一存在感がある部分がエンジンだ。3気筒であること以外、詳細は未公表ながら、チーフプロダクトオフィサーのスティーブ・サージェント氏は、「ライバルはホンダ『CB650R』、カワサキ『Z650』、ヤマハ『MT-07』などを想定している」と明言。当然、それらと同等の650cc前後の排気量が与えられているはずだ。

ただし、ストリートトリプルSに搭載されている660ccでも、数年前までラインナップされている675ccでもない「Newly developed(=新開発)」ということも付け加えられた。なんらかのパーツは共有していても、新型トライデントのターゲットに合わせたトルク特性やテクノロジーが採用されているようだ。

そのターゲットは、主にミドルクラスのエントリーユーザーを指している。街乗りからツーリングまで幅広い用途に使われることを想定し、ライダーのスキルも走るステージも選ばないオールラウンダーになっていることが想像される。

◆スタイリングを手掛けたのは、あのイタリア人デザイナー

スタイリングはシンプル、もしくはクリーンなスポーツネイキッドに仕立てられている。3気筒エンジンを懸架するのは、ステアリングヘッドから直線的に配されたスチールパイプフレームだ。それを印象的な形状の燃料タンクで包み、前後には倒立フォークとアルミ鋳造スイングアームを締結。クラシカルにもモダンにも見えるオーセンティックな外観にまとまっている。

社内のデザインチームが提案した基本アイデアをカタチにしたのがイタリア人デザイナー、ロドルフォ・フラスコーリ氏だ。トライアンフとタッグを組んで生み出したモデルは数多く、かつての『スピードトリプル』や『タイガー1050』、そして2020年に発売が始まった『タイガー900』シリーズがそれだ。日本のメーカーとも縁が深く、例えば18年に発表されて話題を呼んだスズキ『カタナ』もフラスコーリ氏が手掛けたものである。

現在、トライアンフはラインナップするモデルを「アドベンチャー」、「ロードスター」、「モダンクラシック」、「ロケット3」というファミリーにそれぞれカテゴライズしている。新型トライデントは「ロードスター」に組み込まれることが決定しており、スピードトリプル、ストリートトリプルに次ぐ末弟というのが、そのポジショニングだ。必然的にリーズナブルな価格になることが予想され、ユーザーとシェアの拡大に大きく貢献するに違いない。

◆トライデントあっての今の3気筒

ところで、トライデントという車名を懐かしく思う人もいれば、初めて耳にする人もいるに違いない。実はこの名はトライアンフの3気筒史を振り返る上で欠かせないものであり、少し解説を加えておこう。

オリジナルは、1968年に登場した『トライデントT150』だ。それまではバーチカルツイン(並列2気筒)を主軸に置いていたが、大排気量時代に備えて多気筒化を模索。その解答が740ccの並列3気筒だった。

パワフルなこのエンジンは、デイトナ200マイルやマン島TTを含むメジャーなレースを制して名声を高めたものの、オイルショックやイギリス国内の不況のあおりを受けてトライアンフ自体の勢いが徐々に低下。80年代に入ると工場の閉鎖にまで追い込まれたのだ。

その後、1990年に新生トライアンフとして活動を再開することになるのだが、その時、再建を担うことになったのが『トライデント750/900』という3気筒シリーズで、つまり「ここぞ」という時に投入されてきた記念碑的な名称なのだ。

その意味で、今回発表された新型トライデントがトライアンフにどんな未来をもたらすのか? 近日中に発表されるスペックによって、それがより明確になるはずだ。

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