なぜ販売しない?なぜ充電式? ヤマハ『E01』に試乗したらエンジン式スクーターが古臭く感じた理由
大阪・東京・名古屋のモーターサイクルショーで公開されたヤマハ発動機の電動スクーター『E01』は、グローバルでメジャーなマーケットである125ccクラスへの参入とともに、実証実験としての導入がトピックになる。
125ccクラスは原付二種と呼ばれる日本でも人気上昇中であり納得できるところだが、なぜ販売しないのか。千葉県で行われた報道関係者向け試乗会では、そんな疑問についての説明もあった。
バッテリー交換式ではなく充電式を選んだ理由
ヤマハでは2035年に電動化20%という社内目標を立てており、目標実現のために、電動車での中長距離ニーズへの対応、125ccクラスの多様なニーズに応えられる機能バランスの把握、こうした変化に対応するインフラ知見獲得という、3つのポイントを明らかにしたいとのこと。
そのために日本、欧州、台湾、タイ、マレーシア、インドネシアの6地域で実施を行うことにした。6つの地域は天候が異なるほか、欧州とマレーシアは最高速度100km/h程度の高速走行が可能であり、台湾はバッテリー交換式電動スクーターのインフラがあるなど、多様なユーザの声を聞くべく選んだそうだ。
50ccクラスの『E-Vino』がバッテリー交換式なのに対し、充電式とした理由については、満充電での航続距離100km・最高速度100km/hを実現した結果、人が持てる重さではなくなったことや、シート下のメットインスペースを確保するという言葉が聞かれた。
充電は定置式の急速・普通および携帯式の3通りがある。残念なのは急速充電はチャデモ対応ではなく、普通充電のソケットも自動車用とは別物であることだ。一方の携帯型はメットインスペースに収まる形状となっている。
実証実験車両らしい装備としては、LTE回線によるデータ収集がある。eSIMとGPSを内蔵したCCUを搭載しており、走行・駐車・充電情報などをチェック。今後の開発に役立てるとのことだ。
エンジン式スクーターが古臭く感じるとは
では乗るとどうか。車両重量は158kgと、同時に試乗したエンジン車NMAXの27kg増なので、少し重さを感じる程度。もちろん発進すれば気にならない。むしろ低重心で前後の重量配分がイーブンに近いので、雨の中でも安心できた。
スクーターと言いつつステップスルーではないので、乗り降りは足を持ち上げる必要がある。ただし走行中は、くるぶしで車体を保持できるという利点もある。ステップやシートは姿勢の自由度が大きく、長距離でも疲れにくそうだった。
発進停止はとにかくスムーズで、電動スクーターの経験の長さを感じる。回生ブレーキは説明のとおり穏やかで、ハンドブレーキとの併用が前提。唐突な効きでは転倒につながる恐れもあるからだろう。
比較車両として同時に乗った『NMAX』は、CVTのせいもあって加速にタイムラグがあり、単気筒エンジンの振動が常に気になった。雨の中ではもう少し前輪荷重が欲しい気持ちにもなった。エンジン式スクーターが、こんなに古臭く感じるとは思わなかった。
シティコミューターとしては125ccクラスは最適
といっても、5月22日まで受け付けている3か月リースは、筆者は充電環境が整っていないので応募はできない。グローバルモデルとして設計したために、日本の道路事情ではオーバースペックに感じることも気になった。
とはいえシティコミューターとしては125ccクラスは最適なので、実験結果を踏まえて、次回は地域別に最適な電動スクーターが販売されることを期待したい。
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