ついにベールを脱いだトライアンフの電動バイク『TE-1』、プロジェクトのフェーズ4が終了
トライアンフが電動バイクのTE-1プロジェクトにおいて最終段階となるフェーズ4の実走テストを終え、最終的なテスト結果を発表した。このプロジェクトは、革新的な開発、専門的な電動バイクのエンジニアリングと統合されたテクノロジー設計の創出に焦点を当てたもので、2019年5月にスタート。
トライアンフ、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、インテグラル・パワートレイン社、ウォーリック大学WMGがコラボレーションして進められ、今年2月にフェーズ4へと移行していた。今回はフェーズ4を終え、トライアンフのブランドマネジメント部長、マイルス・パーキンス氏、そしてチーフブロダクトオフィサーのスティーブ・サージェント氏によるオンライン説明会が行われた。
◆テストにはデイトナ200マイルウイナーのブランドン・パーシュが参加
プロジェクトではトライアンフがプロジェクトをマネジメントし、シャシー、ドライブトレインコントロールシステムの設計、マニュファクチャリングキャリブレーション、チューニング。そしてウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングは軽量なバッテリー設計の提供やVUCを組み合わせたバッテリーマネジメントシステムを開発し、インテグラル・パワートレイン社は一体構造の電動モーターとインバーターの開発を行った。
ウォーリック大学WMGはモデリングとシミュレーションを行ったという。プロジェクトは英国政府ゼロエミッション車局(OZEV)より資金提供を受けており、トライアンフが主導しつつ、各分野の専門家がコラボレーションして開発が進められたというわけだ。
フェーズ4では、ヒンクリーにおけるトライアンフのローリングロード設備でスロットルキャリブレーションやパワートレイン性能マッピング、航続距離と電費、ライダーモード開発などのコア機能評価が行われた。同時にサーキットでの実走テストも実施され、TE-1プロトタイプのハンドリングや加速性能、ブレーキ性能などの評価が行われたという。
このテストでは今年のデイトナ200マイルウイナーで、昨年のブリティッシュ・スーパースポーツ選手権にストリートトリプルで参戦したブランドン・パーシュがテストライダーを務めた。パーシュはローリングロードでのエンジン性能評価、そしてサーキットでのテストを通じて、プロトタイプの最終的なセットアップに携わったという。
◆同クラスの電動バイクに比べ、約25%の軽量化を実現
テスト結果について、パーキンス氏はまず「テスト結果は全てのプロジェクトの目標と期待を上回っており、それがこのユニークなコラボレーションの成功を示していると考えています」と述べた。
航続距離はカテゴリートップクラスの161kmを実現しており、パーキンス氏は「これは現在の同クラスの電動バイクを大幅に上回っています。また、エンジンキャパシティやバッテリーキャパシティについての全てのプロジェクトの目標をも上回っています。これはもちろん、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングとのコラボレーションの成功をよく表すものだと思います」と説明している。
充電時間は0%から80%まで20分で、イノベートUKがこのプロジェクトにおいて設定した目標に応えているという。最大出力は130kW、177PSを実現し、ピークトルクは109Nm。スタート時の加速は3.7秒で0から100km/hに到達する。車両重量は220kgで、パーキンス氏は「現在の同クラスの電動バイクに比べ、25%ほど軽量になっています。よって、素晴らしいパワーウエイトレシオを実現しています」と語る。
◆4つのモードを備えたスポーツネイキッド
外観は写真の通り、トライアンフのスピードトリプルやストリートトリプルに近い印象の、スポーツネイキッドスタイル。ライディングモードはレイン、スポーツ、トラック、アンリミテッドの4つのモードを備える。ただし、アンリミテッド・モードに関しては、その名の通りバッテリーを最大限に使用するために使用時間は限られる。加えてウオーク&リバースモードという、取りまわし向けの低速モードもあるという。そのほか、トラクションコントロール、フロントホイールリフトコントロール、回生ブレーキコントロールなどの機能も盛り込まれている。
このTE-1プロトタイプ自体が生産されるわけではなく、この開発を通じて学んだことが、今後の電動バイクプログラムに活用されていくことになるということだ。「我々はすでに、電動バイクを計画しており、開発中のものがあります。トライアンフから何か発表されるのも、そう遠くはないでしょう」とサージェント氏は語った。TE-1プロジェクトを経て、今後登場するだろう市販化モデルが気になるところだ。
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